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第227話〜デート終盤〜

それではどうぞ

「わ〜可愛い!」


海莉が頼んだのは猫の形をしたオムライスだ。ご丁寧にケチャップで顔まで描かれてる。


「写真写真……」


これは写真に収めておきたいよな。わかるわかる。

つぶやくのにもちょうどいい材料だもんね。


「よしっ。頂きます。」


「召し上がれ…って俺が作った訳じゃないが」


美味しい…と食べていく海莉。うん、いい絵だ。


「優成くん」


「何?」


「…はい、あーん」


……食べろと?まあ食べるが……


「どう?」


「美味しいけど恥ずかしい。」


「可愛い」


可愛い、じゃないよもう。家の中ならともかく外でそういう事されると恥ずかしい。

嬉しいのもあるからいいんだけど…


それから海莉は適度に俺にも食べさせつつ、猫型のオムライスを食べ進めていった。

一瞬それがしたかっただけか?と思ったが直ぐに食べきれないのはほんと…と言われた。


疑ってごめんな……


「あとでひざまくら」


「はい。仰せのままに」


「よろしい。……ありがとね、付き合ってくれて」


ふいに海莉がそう声をかけてくる。…それは何、今日付き合ってくれてってことか?それとも私を選んでくれてってことか?


「今日付き合ってくれて。…配信したかったんでしょ?」


「別に、海莉より大事なものはないからいいんだよ」


それに今更だな。…こういう所しっかりしてるよな、海莉って。

配信はまぁ…リスナーは悲しいだろうが明日やればいいからな。


「大好き」


「知ってる。…いいからご飯食べてしまえ」


「そろそろおなかいっぱい…」


あら、そうなの。じゃあ俺食べるから……


…うん。普通に美味しいオムライスだな。形が猫ってだけでなんも変わらん。

デミグラスの方が好きなのだがケチャップも美味しいものだな。


「ご馳走様でした」


「優成くん食べるのはや」


「ちょっとしか残ってなかったろ」


あれぐらいの量ならこんなもんですよ。…っと、どうする?そろそろ時間も近いし最後に遊んどくか?


「うん!」


「じゃあ行こうか。」


立ち上がって猫の方に移動する。……するとさっきまでとは違った子達が寄ってきた。


こうしてみると本当に猫の数多いよなぁ。何匹いるんだろうか?


「10匹?ぐらいいるみたい」


「大変じゃないのかな、10匹も」


「大変じゃないかな……」


やっぱ大変なのか。猫カフェって猫側の負担大きいとかも聞いたことある話だし色々大変なんだろうな。


「よしよ〜し。可愛い〜!」


まあ海莉が楽しいからいいか。…ん?はいはい、分かったから俺の足引っ張らないでね猫ちゃん。


執拗に俺の足を引っ張ってくる猫を膝の上に乗せてみる。

するとそこで丸くなって目を閉じ始めた。…え、なにこれかわいい。


俺はその子と近くに寄ってくる子を相手にし、海莉は猫用のおもちゃを見つけたらしくそれで遊んでいる。


面白いぐらい食いついてるなあのおもちゃ。猫って本当にああいうの好きなんだ。


それからしばらくして店員に声をかけられるまで俺と海莉は猫と戯れていた。



「お客様」


「あ、もう時間ですか?」


「はい。そろそろお時間でございます」


店員さんに声をかけられたので海莉にも声をかけて出る準備をする。

海莉がおもちゃを直したりしてる間にお会計をサクッと済ませておく。


「お待たせ〜お会計しよっか」


「大丈夫よ。お会計終わってる」


そういうと海莉はびっくりして一言好きと耳元で囁いてきた。そりゃ何よりです。


「ありがとうございました〜」


「楽しかったね」


「だな。…猫って可愛いんだな」


実物があんなに可愛いとは思ってなかったな。…野良猫には好かれない人生だったし。


「また今度行こう?」


「そうだな、また行こう。」


楽しかったしな。値段はまぁちょっと高めなのかもしれんがあれぐらいでこれだけ楽しめたのならいいかな。


確かにあれは猫が欲しくなる人もいるわな。よく分かったよ今日…


買い物だけしていい?と言う海莉に付き合うよと答えて一緒に歩き出す。



…そういや、大也くん達は何してるんだろうか?2人は2人でデートしてそうだな。

それではまた次のお話で会いましょう〜

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