第217話〜自慢したいの!〜
それではどうぞ
「12日遊ばない?」
ダイヤくんからそんなメールが入っていた。おお…なるほど、海莉の言ってたのはこれか。
「遊びたいのは山々だけど…」
「事務所に集合で…リアルで遊びたいってことなんだけど。」
…んん??ああなるほど、そういう事。となるとこれ、六花さん家に来るパターンだな?
「わかった。何時頃にする?」
「10時ぐらいかな!」
ふむ…急に会うことになったけどダイヤくんだし別にいいか。
まだちょっと不安がない訳では無いが…海莉が知ってて何も言わないってことは問題ないってことなんだろう。
「OK〜。じゃあ当日!」
「楽しみにしてる!」
俺も楽しみだな、っと……何気に男の子の友達と遊ぶのは初めてだな。
だって今までそんな仲のいい友達いなかったわけだし…
いい体験になりそうだ。あ、何かお土産とかいるかな…?
「落ち着きなさい」
「いてっ。」
海莉にチョップされた。…落ち着いてるのに。
「そうは見えなかったけど。…その様子だと大丈夫そうかな」
あ〜、一応心配してくれたわけね?…大丈夫よ、本当に大丈夫じゃないって海莉が判断してたら行かせないでしょ?
「大丈夫だと思ったから何も言わなかったんだけどちゃんと伝わってたんだね」
「それぐらいわかるよ、海莉の事だもん。」
海莉が俺の事を分かってくれるように俺だってわかる。舐めてもらっちゃ困りますよ。
「それで…ね」
「家に来るんでしょ?楽しんでね」
「鋭いなぁ、もう。…優成くんの部屋には入らないようにするから安心して?」
安心したわ。…いや、見られて困るようなもの何も無いし別に気を遣わなくてもいいよ。
ちょっと片付けなきゃ行けないぐらいだし…それもそんなに汚してないからすぐ終わるし。
「…ありがと」
「どういたしまして。何も気にせず楽しんでおいで」
女の子同士じゃないと話せないことだってあるだろうし何も気にしなくていい。
まぁ一緒に住んでるのがバレる可能性はあるが…六花さんだから問題ないだろ。
「六花ちゃんたちも同棲すればいいのにね」
「それは本人たちの問題だからな…」
最初から一緒に住んでた俺らとはまた立場が違うからなんとも言えんよ…色々問題はあるだろうしさ。
「うちの隣に引っ越してくればいいのにね」
「そういや隣いつの間に空き家になってたの?」
「ちょっと前に引っ越してたよ。」
ああ、そうだったのね。…いやでもわざわざここに引っ越してくることある?
それこそセキュリティのしっかりしたマンションとかの方に行くんじゃない?ダイヤくんそういうのしっかりしそうだし
「それもそうだね。…あ、それからもしかしたら私たち家で配信するかもなんだけどさ」
おお、そうなのか。…って、なんでそんな伺うような顔に?
配信はしちゃえばいいじゃん、俺も楽しみだし。
「…ほら、女の子同士の恋愛トークとかするつもりなんだけどどこまで言っていいのかなって」
そう言う海莉の目を見ると、みんなに自慢したいような…でも流石にダメだよねという諦めも入ったよく分からん目をしている。
みんなに聞いて欲しいけど…みたいな感じなんだろうか?
「好きなだけどうぞ」
「え?」
「海莉の言いたいように言えばいいよ。任せる」
本当に言っちゃダメなことは言わないと思うし好きに話せばいいんじゃない?
そもそも自分の話したいことを話すのが配信だから…まぁ恥ずかしいけどさ。
その分、危機管理はしっかりしなきゃ行けなくなる。もしも些細な会話から場所特定されたら大変なことになるからな。
「その辺は任せて!…大好き〜!!!」
「はいはい、落ち着いてね。俺も好きだよ」
こんなに愛してもらえるのは嬉しいけど、一旦落ち着こうか。そろそろ配信だろ海莉?
「そだった…うー、まだいちゃいちゃしたい」
「終わったら甘やかしてあげるから行っといで」
って言っても、頭撫でるだけで満足するんだよな〜海莉。たまには別の事もしてあげるべきか…何がいいかな?
「じゃあ行ってくる!」
「うん、頑張ってな」
…よし。じゃあ俺も配信見る準備しなきゃな〜
それではまた次のお話で会いましょう〜




