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第206話〜あっさり承認〜

それではどうぞ

「緊張してる?」


「ちょっとは。海莉は?」


「私は結構してるよ。」


そう言う海莉に対し、手を握って大丈夫だよと笑いかける。

かくいう俺も緊張はしているが、まぁなるようになると思ってる部分もあるからな。


「ついたね」


「だな。…行くか」


まずはエントランス。受付さんに話して少し待つと、俺と海莉のマネージャーさんが両方来た。


「お久しぶりです優成さん」


「島海さん、お久しぶりです。」


海莉のマネージャーさんと会うのは確かに久しぶりだな。佐藤さんはよく会うんだけどなって当たり前か。


「部屋こちらです。どうぞ」


「助かります。」


急な訪問にも関わらずちゃんと部屋を取っててくれたのはとても助かるな。


「…で、どのようなご要件で?」


「実は…」


「私達付き合いました!報告動画撮りました!いつ出せばいいですか?」


えそんなに軽く言う!?ほらみろ、マネージャーさん達もぽか〜んと…


「なるほど、おめでとうございます。早い方がいいですね、2日後に出しましょうか」


してないんだけど。それだけ?めっちゃすんなり受け入れられたんだけど??

いや、受け入れてくれるのは嬉しいよ?嬉しいけどすんなりしすぎじゃないですかね!?


「まぁ、時間の問題でしたからね。優成さんがどれだけ耐えきれるかって所でした」


「それも長くは無理だろうと思ってましたよ。あ、おめでとうございます」


「ありがとうございます。」


「ありがとうございます!」


ともあれすんなり受け入れてくれる?のかな。恋愛禁止ですとはならなくて良かった。


「その動画の公開に合わせてうちの事務所からも文章を出しましょうか。ね佐藤さん」


「私たちで出せば事務所側の意向として伝わるでしょう。事務所としてもさっさと2人をくっつけた方が後々利益になりますからね」


ああ、しっかりと利益計算してやがる……いつもの佐藤さんだ。

事務所側がちゃんと判断して大丈夫って言ってくれてるならほんとに大丈夫そうだな。


「でも良かったね、優成くん?」


「そうだな。」


考えすぎで良かった。この事務所には恩があるし出来れば抜けたくないからな。居心地がいいしさ


「そう言って貰えると助かりますね。…用事はそれだけですか?」


「えっと、まぁ」


「では少し今後の展開について話しましょうか。」


時間は無駄には出来ない。せっかく来たんだから仕事の話はできる限りしておかないと。


そこから真剣に今後のこと……今回のことに関係あることもないことも話し合って、それでも終わったのは夕方頃だった。


「にしても面白いこと考えるよな〜」


「でも見たい人多いんじゃないかな?ダブルデートを……その、配信で乗せるのはちょっと恥ずかしいけど」


「そもそもどういう感じでやるんだろうね?気になる人多いから!って言われて頷いたけど…」


配信でやるのは構わないがそもそもどうやるのだろう?4人でゲームするだけなら分かるが何となくそんな感じじゃなさそうだったし……


「なんでもいいよ〜優成くんとデートできるなら!」


「……はいはい。その気持ちは嬉しいけど落ち着こうな、ここ人の目多いから」


「や〜だ!」


子供か。って、そんなに強く腕を持たなくても逃げたりしないから!


「え〜…だめ?」


「またそうやって上目遣いで……分かっててやってるよな?」


「優成くんこれに弱いよね」


そりゃ海莉にそれされたら誰だって…って、やっぱり分かっててやってるな!?

自分の魅力を完全に理解してやってやがる……でもダメだな。これを他の人には見せたくない。


「…ほら、行くぞ」


「え…怒った?」


「怒ってはない。ただ海莉のそんな顔を他の人に見せたくはない。」


「ふふっ、そっか!そっか〜!!」


「ちょっと、歩きにくい…!危ない、危ないから!!」


嬉しいのはわかるが落ち着け!怪我したら元も子もないから!!


何とか説得して引き離すことに成功した俺は、そのまま周囲の目から逃げるようにその場を去っていく。



事務所に受け入れてもらえるのは確定した。あとは……皆に、受け入れてもらえるかどうか。


それではまた次のお話で会いましょう〜

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