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第204話〜おうちデート・初めての…編〜

それではどうぞ

「雨だねえ」


「雨だなぁ」


しかもかなりの量降ってるな〜、これは今日は外に出れないな。残念。


「じゃあお家だね」


「そうだな…」


「…?どうかした?」


いや、特に何かあるってわけじゃない。ただ……おうちデートって何するんだ?と思って。


「それっぽいことするの」


「それっぽいとは一体……」


「着替えてくる!」


そう言って海莉は自室に戻って行った。…わざわざ着替えに行くのか…

まぁ俺はよくわからんし任せようかな。経験豊富そうだ……し……


そうか、当たり前だが過去に恋人がいた可能性はあるのか。…いや、居ても別に海莉に変わりは無い。無理に気にしないようにしよう、それが普通だろうし…………


「おまたせ!」


「思ったよりはやか…った、な。」


そこに現れた海莉が着てたのは……ワンピース?


「ピンドットのやつね。よくわかりました!」


「まぁこれくらいなら…」


ほんとに女の子の服の種類とか知らないからなぁ……って、そうだった。大事なことを言ってなかった。


「よく似合ってる。可愛い」


「……ありがと。」


照れてる海莉ってほんと可愛いよな。…というか、寒くないのか?それ


「寒くないけど寒いから暖めて」


そう言って俺の膝の上に座ってくる。…全然重くないんだから不思議だよな。

お、結構触り心地がいい。それに……


「そのために着てきたもん。」


「流石だなぁ…」


落ち着くな、これ。海莉が近くにいる……いてくれる。温もりを感じられる。


「こうやってリラックスするのがおうちデート。外に楽しみに行くのがお外のデート!」


「そんな感じで区別してるのね」


「って聞いたことがあるだけだけどね?」


聞いたことがあるだけかい。……ということは経験は無いのか?


「無いよ。告白されたことはいっぱいあるけど…優成くんが初めて。今までの人は私の外見しか見てないような人ばっかだったから」


そっか。…海莉は確かに容姿もいいからモテるのはよくわかるけど…うん、嬉しいな海莉を独占してるのは。


「結構寂しがり屋だよねぇ優成くん」


あ、しまったつい強くしてしまってた…って、誰が寂しがり屋だこら。別にそんな事ないよ!!


「私は嬉しいからいいんだよ?」


微笑みながらそう言ってくれる海莉。…なんか、素直に喜べないな……


「テレビでも見る?」


「何か面白いのあるかな」


テレビを見ること自体そんなに無いしな。海莉はよくドラマとか見てるようだけど…俺はそんなに興味無いし。


そうしてつけたのは街ブラ系の番組だった。2人してそれをゆっくり見る。


こうやってゆったりしてる時によく思うが、会話がないのにそれが嫌だとは思わないんだよな。

何も話してなくても落ち着くって言うか……


ほんと、海莉がそばにいるだけで心が安らぐ。他の人ではこうはいかないから不思議なものだよな。


「どうかした?さっきからずっと見てるけど」


「ただそばにいるだけで落ち着くのが不思議だなって思ってただけ」


「好きな人といるからじゃない?」


そうかなぁ、そうかもなぁ。確かに海莉といるからかも…って、自分で言って顔赤くするなよ。


「可愛いな」


「…そう思ってるなら、そろそろちょっとぐらい手を出してくれてもいいんじゃないですかー」


海莉が目でヘタレと言ってくるが、流されてやりたくない。ちゃんと大事にしたいからさ。


「嬉しいけど…男の子を我慢させるのは良くないような…」


「俺は大丈夫。…海莉が我慢してるなら良くないと思うけど…」


海莉に我慢させるのは…な。あんまり良くないだろう。


「じゃあ…キスぐらいはして欲しいんだけど、ダメ?」


「ダメじゃ…ない。」


そう答えると、目を閉じてまつ海莉。それにそっと…優しく、優しく口付けをする。


「ん…大好き」


「俺も好きだ。」


そう言い合い、もう一度…今度は一回目よりながく、行われるのだった。






それではまた次のお話で会いましょう〜

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