第199話〜行動の意味〜
それではどうぞ
「…おはよう。居てくれたんだ?」
「いて欲しいんだろ?」
海莉が目覚めた。時間にして30分程だろうか?そこまで長くなかったし待つのは苦じゃなかったよ。
ただ、辛そうな顔をしてるのだけは見てるのが嫌だったが。何も出来ないからな。
「で、調子は?」
「…ダメそう」
ダメか、そうか。そりゃ仕方ない。
「もう、大丈夫だよ。ごめんね?迷惑かけて」
「いや…海莉が嫌じゃないなら今日はここにいるよ。」
最も1人になりたい時もあるだろうし、1人の方が楽なこともあるだろう。そういうことなら部屋に戻るが…
「…ありがと。甘えるね」
「どうぞ甘えてくれ。…お茶とか飲む?持ってこようか?」
「大丈夫。……ありがと。」
座りたそうだったので手伝う。なるべく海莉が体力を使わなくていいように…腰とかさすって上げて方が良かったりするのだろうか?
如何せん経験がない。無いけど精一杯考えないとな……
「後ろからぎゅっとして。」
「こうか?」
言われたままにする。…温もりは感じるけど、弱ってる分守ってあげたくなるような感じだなぁ
「そ。…しばらくこのまま」
だからこそ海莉からして欲しいことを言ってくれるのはとても助かるのだが。
…普段はこれ、海莉が俺にしてくれてるんだよな。安心感を得られてたけど、俺も少しでも与えられてるかな?
「…心配してくれてありがとね。」
「どういたしまして。」
「なんでここまでしてくれるの?」
そりゃあ…好きな人のためだしな。理由になってないか?
「大切な人だし…俺だって、支えられてきたから。苦しんでるなら力になりたいし…できることはしてあげたいなと思うし」
「大切…か。」
……まずい、言い方を間違えたのか?明らかに海莉の機嫌が……
「優成くん」
「な、なに?」
「もう少し私を見て。自分に素直になって。」
「わ、わかった。」
いつもより厳しめの口調でそういった海莉は、そのまま俺に体重を預けてだまってしまった。…ゆっくり休むのだろう。
……自分に素直に、か。そりゃあ海莉は好きだし、将来的にはそういう関係になりたいと思うけど…こればかりは自分の気持ちだけじゃどうにもな。
俺は怯えすぎなのだろうか。もう少し踏み込んでもいいのかな。
…っと、海莉の事を見ないと。自分のことは後で振り返っておこう。
幸いにしてまだ海莉は俺に体重を預けてくれてるままだ。温もりは感じる。ただ、少し不機嫌で……
というか、答えは既に出ている。前からな。
ただ、情けないことにそれをずっと否定してただけで。違ったらどうしようとか考え出すとキリがないんだが…それはその時、か。
単に俺が考えすぎなだけだとは自分でも思ってるし。なら、踏み出してみよう。
「…そんなに強くしてどうしたの?」
「え?ああ、ごめん。無意識に…」
しまった、無意識に強く抱き締めてた。……きつかったか?
「んーん、嬉しいから大丈夫。」
「…そっか。なら良かった」
…あ〜、うん。そんな顔されたらますます耐えられない。そもそも好きというのを認めたのだ、他も認めようじゃないか。
行動の意味をちゃんと受け入れよう。関係が変わることで…踏み込むことで望まない関係になるのが怖かったとしても…
「…わかった?」
「答えは出したよ。……海莉が元気になったら、ね」
「優成くんらしいね。…でも明日までに元気にならなくちゃ。」
「あ〜……俺からいっぱい元気持って行ってくれ」
そういや明日に予定があったか。…大丈夫なのかな?俺がついて行くわけにも行かないから余計に心配なんだが?
「お薬飲むし大丈夫〜、ただちょっと遅くなるとは思う。」
それは全然良いけど…まぁ無理だけはしないようにな。何かあったら連絡してくれていいから。
「…覚悟してね」
「え?」
「なんでも。…そろそろ寝ようかなと思うんだけど、隣で寝てくれる?」
「…ここで?ちょっと狭くないか?」
「嫌ならいいけど、見捨てるの?」
「見捨てる訳ないだろ。…海莉がいいならいいけどさ」
そう言って横に入り込む。…うん、狭いが寝れない程じゃない。ちょっと密着しすぎてるのと、海莉の匂いが凄いする(当たり前)からちょっと大変だが……
「おやすみ優成くん」
「おやすみ海莉」
寝る前の挨拶を交わして、寝る。…しれっと手を絡ませて来たので握り返してあげる。
さて、準備だなぁほんと。どういうのがいいのかな?指輪とかいるのかな…ってそれはまだ早いか。
それではまた次のお話で会いましょう〜




