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第198話〜気付いてあげられれば〜

それではどうぞ

「そろそろ終わりにしない?」


配信からいくらかの事件が経過した頃、海莉が唐突に言い出した。……まだ1時間も経ってないぞ?流石に早すぎるんじゃ無い?


「もう怖いし…」


「ホラゲーやってるから怖いのは平常運転じゃ?」


「夜寝れなくなる…」


今いっぱい騒げば疲れて寝れるでしょ、問題ない問題ない。

それにどうせ一緒に寝るんだから寝かせてあげるって…口には出さないけど。


「ほんとにやめたいならやめるけど…どうする?」


無理はさせられない。1時間も経ってないと言ったがあと10分もすれば1時間は経過する。後の時間は適当に雑談でもすればいいし…頑張った方だろうしな。


「じゃあこれ最後にする…」


「はいはい。よく頑張った方じゃない?」


このゲーム普通に怖いしな…見てるだけならともかくプレイするとなると余計に。


妙にリアリティがある分苦手な人はさらに怖いだろうし、よく頑張った方だろう。コメント欄もよく頑張った!!で埋め尽くされてる。


「あとちょっとだけ酔ってきた…」


「先に言えよそれを!……トラックで待機してて、全部やってくるから」


体調が悪くなるまでやってるんじゃないよ!無理するなって散々俺に言ってるくせに…もう。


「ごめんね…でも楽しくて」


「もう…気持ちは嬉しいけど体調良くなったら怒るからね。」


「うん…ごめんね?心配かけて」


「俺はいいからリスナーに謝りなさい。」


こうしちゃいられない。サクッと終わらせなきゃ…おらゴースト共!さっさと証拠出せやああああああああぁぁぁ


・ヤクザになっとる……

・ヤクザ化する狼

・ゴースト相手に取り立てる人初めて見た


誰がヤクザじゃ。…ただゴーストにさっさと証拠出せって言っただけなのに。


それから5分もせずに3つの証拠をぱぱっと集め終わった俺を見て、取り立て完了とコメントする人達が増えまくったのだった。



「今はちょっと楽だから大丈夫。」


「いつから?」


配信を即座に終了し、海莉の部屋に来た。


「……3回目?だから30分ぐらい?」


「はよ言えよ……」


「ごめんね。……ごめん、ね。」


「泣くな泣くな、大丈夫だから。ほら、寝るまではそばにいてやるから。」


…いつにも増して不安定だな。まぁ体調が悪いんだから仕方ないか。


「女の子の日だから……」


「ああ、なるほど……それならそうと…いや、なんでもない。とりあえず何したらいい?」


言えよって思ったけど、言い難いわな。察してあげられなかった俺が悪いか。時期がズレてる訳でもないんだし……はあ。


「ん〜…そばにいて、大丈夫大丈夫って言って。」


「分かった。…大丈夫、大丈夫。」


「嫌いにならない…?」


「ならないならない。どんな事があっても嫌いになることは無いよ」


「そっか……ちょっと、寝るね。」


「うん、おやすみ。」


「……出来れば、起きたあとも、いて欲しい…なぁ」


そう言い残して、海莉が寝た。……言われなくてもいてあげるつもりだったしそれぐらいは構わない。


それにしても、前まではこんなに体調悪くなってなかったのにな……いや、俺に見せなかっただけだろう。

普段からこんな感じなら、気付いていなかった方が悪いだろう。あえて心配させないように見せなかっただけという可能性もある。


……ああくそ、もっと早く気付いてあげてればな。少なくとも体調が悪いことぐらい気付けたはずだろう。

もっとちゃんと見てあげれば……


いや、今は後悔してる場合じゃないな。ちょっとでも楽になるような方法とか調べよう。後は……何か食べ物とかも調べた方がいいのかな?


そればかりは海莉に聞いてみないとわかんないか?


そんな事を考えながら海莉が起きるまで何しようかと考える俺だった。


それではまた次のお話で会いましょう〜

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