第139話〜夫婦みたい〜
それではどうぞ
「朝だよ〜優成くん〜」
「あと5分……」
「そんなベタなこと言ってないで起きて。朝ごはん冷めちゃうよ?」
ん〜……まだ寝たいんだけど朝ご飯が冷めるのはよろしくない…
「起きないと……イタズラするよ?」
「起きる、起きるから耳元で言わないで…」
何故かかなり色っぽいから動揺するんだけど。
「ん、いい子。ご飯食べたら準備しなきゃ。今日行かなきゃなんでしょ?」
「うん。」
海莉を見てると海莉と居たいな〜って思わなくもないが……まぁ仕方ない。
にしても……
「こうして朝起こされて、ご飯準備してて、仕事に送り出して……夫婦みたいだね?」
「ナチュラルに心を読まないでもらってもいいですかね…」
相変わらず海莉はその辺鋭くて怖い。隠し事出来ないんじゃなかろうか?浮気とか……
「するつもりなの?」
「しないしそのつもりもない……」
このままだとよろしくない気がする。うん、さっさとご飯食べちゃおう。冷めるし!!
「荷物は持った?お土産は?」
「持ったよ」
「忘れ物は?」
「ない」
「ん、ならよし。…行ってらっしゃい」
「行ってきます」
そういや久しぶりだな、事務所に行くの。何ヶ月ぶりだろうか…
電車とかに乗って移動してる時間暇なんだよな。どうしよ……
コメントやリプでも見て時間潰すか。〜やって下さい!みたいなやつ意外とネタになったりするしな。
「…そろそろ時間か。よいしょ…っと」
そうこう4時間程…時間になるまでリプやコメントを見て時間を潰していたが、そろそろ時間になるし移動しなきゃな。
ちなみに4時間もコメントやリプだけ見続けていた訳ではなく、動画を見たり他の人のつぶやきを確認してたりしていた。
「お、来ましたね。お久しぶりです」
「お久しぶりです佐藤さん。」
挨拶もそこそこに部屋に移動する。久しぶりだなぁこの部屋。
「あ、これお土産です」
「お、ありがとうございます。……ボタンさんとは上手くいってます?」
「まぁ仲はいい…と、思いますよ。」
「と言うと?」
そう聞かれても難しいし…とりあえず朝のことでも話せばわかるかな?
そうして朝の何気ない出来事を話してみる。すると……
「…夫婦みたいですね。」
「なんでやねん…」
いや、当事者の俺も思ったんだから他の人がそう思うのも不思議な事じゃ無いんだけどな?それはわかるんだけど…突っ込まずには居られないというか。
「その調子だとボタンさんも苦労しているのでしょうね……ああいや、優成さんが悪い訳では無いのでお気になさらず。」
「はあ……」
「ま、夫婦の事は心配ないとして置いといて……」
「夫婦言うな…まだ違うわい…」
「まあまあ。…さくっと本題に入りましょうか。とりあえず先にこないだのリレーの時の案件ですかね?」
ああ、結局あれ反響どうだったんだろうか。結構な人に見て貰えたと思うんだけど…
「ダウンロード数が激増したらしく、サーバーがパンクするギリギリだったようですね。予め増えることを見越してサーバーを増やしたりして余裕を持たせてたらしいですが……」
「…なるほど?」
「予想を上回る数だそうで、お陰様で忙しいと言ってましたね。感謝されてました。」
なら良かった…のか?
「案件の分のお金は今月の収益とまとめて渡しますね。」
「了解です。」
あの場で案件したのは成功だった…のかな?
「案件としては成功でしょうね。…それで、次の案件なのですが」
「マイクか何かだったっけ。…何か問題が?」
「直接話してみたいと向こうが仰ってまして…どうします?」
ふむ………話してみようか。どうせ今からでしょ?
「ええ。時間を無駄にさせる訳には行かないですからね」
「さすが有能……」
さてさて、さくっとお話しますか!
それではまた次のお話で会いましょう〜




