第126話〜ホラゲーコラボ〜
それではどうぞ!
「それでね、〜に決まったの。」
「なるほど。ちゃんと決まったのか。」
「意外と大変だったんだよ?私はこうしたいけど事務所は〜みたいなね?」
そんなもんかね。…まぁ海莉クラスのチャンネルともなると自分のやりたいようにがなかなか難しいのかな。
「事務所に入ってると必ず起こるからね、こういうの。……しょうがないと思うしかないの。」
「ほんとに辛くなったらやめればいい、か…」
「そゆこと。やめてもスケジュールの管理が大変なのと税理士さん見つけなきゃ行けないぐらいだし」
細かいことを言えばそれ以外もあるんだろうけど…ま確かにスケジュールの管理とかお金とか大変そうだもんね。
「そういえば優成くんは…あつっ、事務所行かなくていいの?」
「ちゃんと冷ましてから食べなさい。…うん。呼ばれてないし……」
カセットコンロで温めながら食べてるんだからそりゃあついよ。
「コラボとかイベントとかそんなに興味無いし…意外と問題ないのかな?」
「チャンネルの方針に迷ってないから相談事もないしね。あくまで今のところだけど。」
「他の人から届いてないの?」
「届いてはいるけど良くない噂が多かったりするからそういうの全部断ってるらしい。」
優秀だね、うちのマネージャー。見えないところで確実に仕事をしてくれている。
「流石、優秀だねぇ。……明日でいい?」
「うん。忙しいならずらせるけど…大丈夫?」
「大丈夫だよ〜、夜なら。」
「寝れなくなっても知らないけどね…」
「そうなったら優成くんに責任取って貰うだけだから問題無いよ。」
一緒に寝てもらうし、嫌とか言わせないし……と言いながら豆腐を食べる海莉。しれっと怖いこと言わないで欲しい。
「嫌?」
「そんな目で見られたらダメって言えないでしょ。…仕方ないなぁ。」
「ふふふっ、さすが〜!」
まあ、寝れ無くなるなんてことは無いから大丈夫だろう。うん。きっと、多分。
「言質は取ったから……あとは既成事実?」
おっそろしい言葉が聞こえた気がするが知りません。ぼくはなにもきいてない。
「は〜い!じゃあ、始めるよ〜!」
「テンション高いな…」
やけに高いテンションの海莉。
「はい!何すればいいですか!」
「とりあえずアイテム…はさっき裏で準備しといたから行きますかね。」
配信が始まる前に準備は済ませておきましょう。配信がスムーズになります。
「わ、来た!」
「懐中電灯と温度計と…あとなんか適当に持って。温度の低いところにいるから。」
「探してるうちに襲われないの…?」
「難易度1番下だから、最初の5分ぐらい猶予時間があるはず」
その間に見つけて特定すればこっちの勝ちだね!と意気込む海莉。…そう簡単に上手く行けばいいんだけどね。
「お邪魔しま〜す」
「お邪魔します。」
お家に侵入する。言い忘れてたが、今回通話はしていない。
ゲーム内にあるVCの機能を使って話してる感じだ。だからVC入力のコマンドを入れてない状態で喋っても海莉には聞こえないので、遠慮なくスパチャ読み上げとかコメント拾ったりとかできるね。
・最高難易度でやらないの?
・いまきた
「いまきた、いらっしゃい。最高難易度はね〜ボタン次第かな。初めてすぐだからねまだ」
「ね!ね!ウルフくんなんかある!!」
「何何?…ああ骨ね。リアルになったなぁ…」
アプデされて人体の1部をちゃんと再現してくるようになったらしい。怖いねわ
「あれ、消えた」
「拾ったよ。お金になるし」
「後で埋めようね……」
残念ながらそんな要素はこのゲームにはない。生きるか死ぬかの2択なのだ。
・そんなシビアなゲームだったっけこれ?
「まあ実際生きて帰れるかゴーストに殺されるかの2択だから。」
思ったより難しいのがこのゲーム。
「あ、ここ低い…?かも」
「あら、どこ?」
ガレージ!と言うのでガレージに向かってみる。温度を確認……確かに低い。他の部屋が20℃なのにここだけ8℃だ。
「ここで確定で良さそうかな。じゃあ色々持ってこようか。」
「うん。」
一旦車に戻って、時間を確認。…まだ2分ほど猶予時間は残ってるな。
「じゃあかい…ボタンは十字架2つ持っていって。」
「わかった!しっかり身は守るから!」
そう言って先に入っていく海莉。俺は…そうだな。懐中電灯を一旦置いて、カメラと本とプロジェクターかな。
「懐中電灯がないとさすがに暗いな。」
電気をつけながら進むか。ブレーカー落とされても困るから最低限だけど…
「十字架おい…きゃああああああ!!!」
「どうしたどうした?」
急に叫んで…何かあったのかな?
「お、おばけ…おばけめのまえに……」
「ああ、脅かされた?」
「かおこわかった。皮、なかった。…こわい」
「大丈夫大丈夫。まだハントじゃないしただ脅かされただけよ。車戻ってていいよ?」
一緒に居る!!!と強く主張してくる海莉。うん、好きにしなさい。
「カメラはここ…プロジェクター置いて本を置いて…っと。一旦戻ろうか、ボタン。」
「おんぶとかないの…?」
「ないない。自力で歩いて。」
酷いよ〜と言いながらついてくるが、このゲームのシステムにないんだから諦めて欲しい。
・現実だと抱っこしてって言われると抱っこしてくれるタイプだよねウルフくん
・お姫様だっこ?
「お姫様だっこ…できるだけの筋力があるかだな。ひ弱だからなぁ。」
「してくれるの?」
「VC入ってたか。しないからね……」
恥ずかしいわ。残念がらないで欲しい。
「あ〜、やっぱりボタン凄い正気度下がってるね。」
「なんでこんなに減ってるの?」
俺の正気度が70だが、海莉は30。40も差がある。
「ゴーストを直視するとめっちゃ下がる。」
「見ちゃったもんね……」
お薬飲みな〜と言って、海莉にお薬を飲ませる。これで40%回復したから大丈夫だろう。
「あれ?今なんか通らなかった?」
「通った通った。プロジェクターは確定かな。あとはオーブとライティング…指紋とEMFもあるか。」
スピリットボックス…ラジオみたいなのもある。けどこれは是非海莉にやって欲しいなぁ。
「幽霊に話しかけるやつはボタンにして欲しいな」
「……そうやって怖いものを私にやらせていくんだ。意外と意地悪だよね」
「リスナーさんも見たいかなって」
「うう。……やってくる」
やってくれるんだ。どうやらラジオは1人じゃないと反応しなかったりするらしいから俺はここで待機してようかな。
どんな反応をしてくれるか楽しみだね!
それではまた次のお話で会いましょう〜




