第115話〜2人の目覚め〜
それではどうぞ!
(短めかもすみません。キリがいいんです……)
「おはよう」
俺が目覚めると隣からそう聞こえてくる。
「おはよ。起きてたのか」
「ちょっと前にね。」
ぐっすりだったね、と言われたがぐっすりになるまでに6時間かかったんだよとは言わない。
「その…さ」
「ん?どうかした?」
言いにくそうにしていたので聞いてみる。
「ごめんね?昨日……迷惑だった?」
ああ、一応記憶はあるのね。眠過ぎて記憶無いとか言われたらどうしようかと思った。
「いや?別に。あそこまで甘えん坊な海莉は初めてだったしちょっとびっくりもしたけど…嫌では無いかな。」
「そ、そっか。……ごめんね?」
「謝ることじゃないよ、嫌じゃないんだから。気にしなくてもいいよ」
甘えたいなら甘えてくれればいいよと言いながら頭を撫でる。…本音を言うと程々にして欲しい(心臓に悪いから)とはちょっと思うけど。
でも俺は普段から海莉に甘えっぱなしなのだし、
海莉も甘えたいなら甘えてくればいいと思う。
「……ありがと。優成くんって……」
「何?」
「…彼女を甘やかしてダメにするタイプだよね。」
……あれ、褒められてないよねこれ?ダメにするって何?
「気にしなくてもいいよ。……お腹空いたから早く起きよ?」
気にしなくてもいいって何さ。まぁそれはさておき…
「ああ、確かにお腹空いた…。」
言われて意識するとお腹がすいてくるな。…って10時なのかよ!?
そりゃお腹も空くわ…早く食べよう、ちょっと寝すぎたな。って、確実に昨日の夜寝れなかったのが問題か。
「先に行ってるね?……ありがとね、優成くん」
そう言って部屋から出ていく海莉。……ちょっとは元気になったのかな?
そんな事を考えながらぱぱっと着替えをすませて下に向かう。
朝ごはんが美味しいと一日のやる気が出るよね!まだ食べてないけどな!
「ご馳走様でした〜」
「ご馳走様でした。」
美味しかった。ちなみに朝はゆで卵にパンにサラダっていうお店のモーニングのメニューだった。
「そう言えば、今日は配信どうするの?」
「やるよ?ほら、言ってたホラゲー」
幽霊の種類を特定だかなんだかするやつ。面白そうだしな。
「見るね!楽しみだなぁ…」
「俺もやってみたかったから楽しみなんだよね。」
ちょっとワクワクしてるよね。あんまり怖そうな感じはしなかったからちゃんとプレイできると思うし、楽しみだ。
「あれを怖くないって思うの、ホントバグってない…?」
「まだプレイしてないからなんとも言えないけどね。」
バグってなんだ酷いなぁ。海莉が特別弱いだけじゃ……
まぁそれだけいい反応が期待できるだろうから海莉にもやって欲しいところでは……
「あ」
「どうしたの?」
「いや、そういやこのホラゲー2人でもできるんだよなって思って。今日は1人でやろうと思うけど…今度一緒にやる?」
誘ってみる。見てくれるみんなも楽しめるだろうし、俺も海莉とできるのならやりたいし。
「………優成くんが誘ってくれたしやる。」
やった。反応が楽しみ…って言うと嫌な奴に聞こえるな。でも一緒にできるのは楽しみだ。
「あ、それから明日私事務所に行かなきゃだから!」
「はいはい、りょーかい。行ってらっしゃい」
そろそろ行くのかな?とは思ってたけど明日か。
じゃあ明日の昼間にでもランク上げやるかぁ。配信しながらだとみんないるから楽しいし寂しくはならないだろうし。
「寂しくても我慢してね?」
俺の心を読んだかのように言ってくる海莉。それに対して俺は
「俺は子供か何かか。」
目を逸らしながらそう言うのが精一杯だった。
それではまた次のお話で会いましょう〜




