第108話〜で?どうなの?〜
それではどうぞ
「一旦下がりましょう!ここ大丈夫ここ大丈夫」
「やばいやばい…危なかった…」
結構ピンチだった。どうなってたかと言うと、安置が迫って来たから逃げたけど、その先に敵がいて逃げた先にも敵がいて……みたいな感じでかなり追い詰められた。
誰1人として欠けることなく逃げられたのが奇跡なぐらいだ。…みんな瀕死だったけど。
「いやでも逃げきれたからまだわんちゃんある…よね?」
「ありますあります。このまま最後の安置収縮まで待ちたいですね〜」
不安そうに聞く海莉に答える海男さん。戦うとさっきみたいにボコボコに殴られるようだ。あれは避けたい……
「最後は普通に突撃かなぁ。あ、でもウルフくんだけ別方向から行って射線増やす感じで」
「りょうかいです。」
結構大事な役回りしてるんだなぁ六花さん。やってみるとより分かるよね。
「大丈夫ですか?緊張してます?」
「大丈夫ですよ。楽しんでます」
緊張してないと言えば嘘になる。けど、楽しいのは本当だ。
ちょっとピリッとした感じもまた楽しいんだよな。その分自分のせいで負けたら罪悪感を感じるんだろうが……
「あ、来ますよ!ウルフくんは右から回り込んでください!」
りょうかいです、と答えて敵の後ろか横に回り込めるように位置をとる。
…が、ちゃんと警戒されてたな。さすがだ。
けどちょっとでもこちらに集中しすぎると……
「あ、1人瀕死瀕死!あいつやれそう!」
残りの2人が撃ちまくってくれる。あとはその隙に回復しようとしてる瀕死のやつを仕留めて…
「残り2人です!」
「よし!いけいけいけいけいけ!!」
ちゃんと敵の射線を切りながら撃つ。残り1人。
「よっしゃ〜!」
俺がリロードしている間に仕留めてくれた。
「まじであの挟まれて撃たれて死にそうになった時は終わったと思ったけど何とかなって良かった〜」
「あそこ危なかったよね……なんで生きてたのか不思議なぐらい。」
「確かに危なかった。…ほんとに。」
勝ててよかった〜。六花さんの代理なわけだから下手なプレイをする訳にも行かないしな。
「いいですね〜今日も幸先がいい。」
「私はあんまりAIM良くなかったからちょっと反省かな〜」
「いや俺も大して何もしてないからウルフくんが強いだけな気がする」
そんな事は無いと思うが、役に立ったのなら良かったな。
「頼りになるんですこの子。敵も倒してくれるし優しいんですよ〜」
海莉がそう言い始めた。…恥ずかしいからやめて欲しい。
「声かっこいいですよねウルフくん」
海男さんもそう続く。
「是非!是非友達になってあげてください…」
「やかましいわ……」
おかんか。友達なんて居なくても海莉がいれば生きていけるし。
「え、だって友達欲しいかなって…」
「欲しいは欲しいけど別に居なくても生きてけるし……ボタンが結構構ってくれてるし…」
寂しくはないんだよな。
「そ、そんな…急に……」
「サラッと言ったなぁ。いやぁ勉強になる。」
……なんかすごい盛り上がってるな、寂しくはないよって意味なんだけどそれ以上に取られてそうだ。
まぁいいか。害はないし、訂正しないでおこう。
「私もウルフくんがいればいいからね!」
「?うん、ありがとう」
必要とされてるのは嬉しいね。
「いちゃつかないでもらっていいですか?」
『いちゃついてはない!』
「つまり平常運転?」
そういうことでは無いのだがそういうことになってしまう…のか?
「あ、始まりますね2戦目。」
助かった。コメント欄はもう付き合ってるんですか?みたいな流れになってるから(海莉の配信でコメント欄は見てる)。
「さ、行きましょう!集中して!」
「で、付き合ってるんですか?」
もういいよ!!
それではまた次のお話で会いましょう




