第101話〜デュオ?〜
それではどうぞ
「こんばん〜」
「みんなこんばんは 」
夜になった。いつも配信を始めるぐらいの時間が来たので海莉とぺックスをやることにする。
・こんばんは
・2人?
「今回は2人でやろうかな〜と。だからランクじゃなくて普通にカジュアル?かな」
正確にはデュオ…2人用モードだけど。
「そうそう。私の練習に付き合ってもらいま〜す」
まだ大会に出ることは言えないらしい。メンバー発表があるらしいからな。
「じゃあさっそく行くよ?」
「どうぞ〜」
さっそく始めていく。
「私このキャラ使うね!」
「ほいほい。どれ使って欲しいとかある?」
「ん〜なんでもいいよ。多分ウルフくんなんでも使える人だし…」
「まぁ確かに…そんなにこのキャラ!みたいなのはないけど」
キャラも武器も、これ!みたいなのは特にない。まぁショットガンはよく持つから強いて言うならショットガンなんだろう。
そんな感じだから今までキャラを特に気にしたことはないのだが、大会ともなるとそういうのもあるのかな。
「SMGがあったら教えて欲しいな〜」
「あ〜ここにある。」
ちょうど目の前にあったから場所を教える。こういうのも始めた時よりすんなりできるようになってきたな。
「ありがと!頼りになる〜」
「どういたしまして。」
「ねぇ敵探そ?戦いたーい」
5分ぐらいずっとアイテムを回収していたのだが、唐突にボタンがそう言ってきた。
「じゃあ戦ってそうな所に移動しますか。」
「うん!いっぱいころす!!」
ちょっとロリっぽい可愛めの声を作って返事をしたボタン。ちらっとコメント欄を見ると…
・可愛い
・可愛すぎる
・ころされたい
みんな可愛さにやられてた。最後のやつは正気に戻って欲しい。
「黙らないでなにか喋ってよ!」
無視するつもりはなかったんだけど結果的に無視してしまった。どうしよう…
「え?あ〜…可愛いけど普段の声の方が好きだよ」
結果、褒めることにした。怒ってるかもしれないから褒めて誤魔化そう!…という気持ちも無くはないけど、一応ちゃんと本心だ。
「ちょっ…好きって……もう!サラッとそういうこと言わないで!」
・てぇてぇか?
・これはてぇてぇ入った?
・てぇてぇ入りました〜!
コメント欄が凄いことになっている。めっちゃ流れが早い。ただ荒れてるわけでもなくむしろ歓迎されてる雰囲気すら感じる。
普段の声の方が好きだよって言っただけなんだけどな……
「ほ、ほら!敵!敵いるよほら!」
「ん?ああほんとだ。やりますかね〜」
「あ〜、あの右のやつ瀕死!もうちょっとで倒せる!」
「おまかせあれ。倒したよ」
削ってくれたのでしっかりと倒しきる。1人落としてしまえば人数の有利ができるから、あとは2人で1人を追い詰めるだけだ。
もちろん油断は出来ないけど。……っと、倒した。
「すご〜い。私何もしてないんだけど…」
「いやいや。2人とも削ってくれてたからだよ。」
「かな〜。ん〜ちゃんと削りきれなかったのがちょっとね。やっぱり訓練所でAIM練習とかしないとだめなのかな?」
「AIM練習?」
知らん言葉がでてきたので聞いてみる。
「AIMを良くしたりとかなんかそういう訓練みたいなのがあるの。毎日ちょっとでもやるとAIM良くなるやつ」
「へぇ〜。そんなのがあるのか。全く知らなかった。」
「やってなくてこのAIMの良さだから化け物だよねもう。」
化け物て。でもたまに外したりするとまだ下手くそだなぁと思うんだよね。
…俺もやろうかな、AIM練習とやら。どうせゲームやるなら上手くなりたいしな。
「これ以上AIM良くなったらほんとに化け物の完成だね。敵にしたくない…」
「いつだって味方だよ大丈夫大丈夫」
「適当だなぁ……」
特に何も考えずに返答したのだが直ぐにばれた。
「ってかあれ、いつの間にか敵めっちゃ減ってない?」
「ね、かなり減ってる。もっと戦いたいな〜」
………
「そこで敵戦ってるから行ってみる?」
「行く〜!ウルフお兄ちゃんと戦うー!」
あえてスルーしてたのにロリ声で続けやがって。お兄ちゃんて。……くっそ、可愛いから何も言えない。
「やった!可愛いだってみんな!!」
何故かちょっと恥ずかしくなってきたので、忘れるように画面に集中する。
そのおかげか、かなりの速度で敵を倒すことが出来たので1位にはなれた。
「最後ほんとに何もしてないや」
「ちゃんと俺が回復してる間カバーしてくれてたし。やっぱボタン上手い…」
野良の人とやるより当たり前だが連携も取れるし。カバーのタイミングもいいしな。
「優しいね。…あ〜でもやっぱウルフくんとやるのたのしい!」
「推しにそう言って貰えるのはめっちゃ嬉しいな。」
退屈はさせないようにしないとね。次も頑張ろうかな。
それではまた次のお話で会いましょ〜




