第28回 9か月
これは恋愛ものか、ホームドラマか……いや、メインはコメディー! ジャンルわけに首を捻った作品の一つです。
監督は、「ホーム・アローン」シリーズや「ミセス・ダウト」、「ハリー・ポッター」シリーズの「賢者の石」「秘密の部屋」のクリス・コロンバスです。
「9か月」(1995年米・日公開作品)
子ども専門の精神科医であるサミュエルは、5年間恋人のレベッカと同棲し心地良い恋愛生活を送っていた。恋愛はしたいけど結婚に縛られずに自由を謳歌したい……一昔前の「独身貴族」状態。ところが、ある日レベッカから妊娠を告げられる。日頃ピルを服用しているレベッカだったが、低確率の「事故」が起きたのだ。
レベッカは妊娠・出産を前向きに捉え、子どもを産む気満々。一方サミュエルは日頃子どもの悩みをぶちまけられている立場なので素直に子どもの誕生を喜べず……子ども自体望んでいなかった。しかし、レベッカにはそれを告げることができず彼女とともに産婦人科へ。
ここで登場するのがロビン・ウィリアムズ扮する陽気で変わり者なコソヴィッチ医師。ロシアから来たばかりという先生は英語の会話も何やら怪しいやりとりになってしまう。
これまでの生活が、子どもの誕生によって破壊される。周囲の期待と親になるプレッシャーが日ごとに増してきたサミュエルは、ストレスから仕事にも支障をきたしてしまう。レベッカと約束していた超音波検査の時間にも遅れ、彼女もサミュエルが子どもを望んでいないことに感づいて家を出て行った。
レベッカの職業はバレエ教室のインストラクター。妊娠や出産によって生活が大きく変わるのは彼女だって同じかそれ以上なのに。サミュエルはそこまで考えが至らなかった。
失ったものの大きさに気づいたサミュエル。彼女が部屋に忘れていった胎内の超音波映像を見てみることに。小さくもレベッカのなかに確実に息づく生命を目にしサミュエルは感動。遅ればせながら自分と彼女の愛の結晶である赤ん坊を愛しいとさえ感じるようになる。
改心したサミュエルは、レベッカに会いに行きプロポーズ。晴れて夫婦となった二人は赤ん坊の誕生に備えるが……
と、結構ネタバレしてますが、本編見るともっとコメディーな仕上がりになってます。
サミュエルを演じるのはヒュー・グラント。レベッカ役はオスカー主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーア(私の大好きな女優さん)です。お腹の大きくなったレベッカをサミュエルがお姫様だっこして部屋に連れ帰るシーンとか……結構好き(私の記憶ちがいかな?)。
ロビン・ウィリアムズはロシア人医師を軽妙に演じます。いや、もうやり過ぎよってくらいに(笑)。終盤の分娩室でのシーンとかもう! その他にも子だくさん家族やら、にぎやかなキャラ多めです。
サミュエルの友人役でジェフ・ゴールドブラムが出演しています。サミュエルと同じように独身貴族の生活に甘んじていますが、彼なりの役割がありました。そこらへんもチェックしながら楽しんでいただけると嬉しいです。
アットホームな作品が好きな方、子どもについてほんわか考えたい方におススメです。




