第26回 ジョーズ
今回は70年代作品。スティーブン・スピルバーグの代表作。でもって夏の定番にもなった海洋パニックホラー(?)です。言わずと知れた作品で今さら……という方が多いかもしれません。
『ジョーズ』(1975年公開)
舞台は海辺の田舎町アミティ。
警察署長ブロディ、海洋学者のフーパー、サメ退治を得意とする地元の漁師クイント三人とホオジロザメとの死闘が描かれています。
冒頭から明け方の海で若い男女が波打ち際でいちゃついていたのですが、女性のほうが服を脱ぎ捨て海へ。男のほうは酔いつぶれて浜辺で爆睡してしまいます。心地よい遊泳の最中、女性は異様な気配を感じた直後に、激しい痛みと恐怖に襲われます。海中で引きずりまわされブイにしがみつきますが、抵抗むなしく海の中へと引き込まれ、二度と浮き上がってくることはありませんでした。
そのシーンだけ見ても怖いのですが、まだまだ序盤。
その後浜辺に打ち上げられた遺体は、あまりに損傷がひどく通報を受けた警察署長のブロディはすぐにサメの仕業と確信し、海岸を閉鎖して遊園禁止にしようとします。ところが市長をはじめとする町の有力者たちに反対に遭い、海を閉鎖することができなかったのです。
アミティは小さな田舎町。夏の観光収入なくして町は成り立たないのです。政治的・経済的な理由で海岸を閉鎖できなかったブロディは、海への警戒を強化するしかありませんでした。人命や正義が最優先されるわけではない……シビアで嫌になりますね。
さらに悲劇は続きます。海水浴客が入り乱れるなか、ビーチでは泳いでいた少年が新たな犠牲者になってしまいました。
ブロディはサメの専門家である海洋学者のフーパーに協力を依頼。
息子を殺された両親が賞金をかけたことで、サメを狙うハンターや地元漁師がアミティにさらに押しかけ混乱を極めます。イベント化したサメ狩りの末にサメを一頭退治されましたが、解体すると人食いザメではないと判明。
フーパーに引きずられるようにブロディ署長は夜の海へサメを探しに行きますが、沈没寸前の状態の地元漁師の船を発見しました。フーパーが潜水して周囲捜索すると船体に刺さったサメの大きな歯を発見。しかし、直後に犠牲となった漁師の死体に驚いて、サメの歯を海中に落としてしまいます。市長に海岸閉鎖を訴えても決め手がないと再び突っぱねられてしまいました。
ついに決定的な事件が起きます。大勢の海水浴客であふれるアミティのビーチに人食いザメが出現し、入り江にいた二艘のヨットを襲います。その一方には友人と遊んでいたブロディの息子・マイケルが乗っていたのです。転覆した二艘のヨット。もう一方にはマイケルたちりひとまわり近く年上の青年が。サメは静かにヨットにしがみついていた青年に食らいつきます。
この襲撃のシーンが怖い! いろんなアングルでサメの襲撃を描いているので、サメ全体の姿が映っていなくても怖いです。
ついに人食いザメの存在が明らかになり、ビーチは大混乱。海岸閉鎖を反対していた市長も海岸の遊泳禁止を許可するしかありません。そして、漁師のクイントを雇いサメを退治するという契約書にもサインを……。こうして三人の男たちが人食いザメとの戦いに港を出発します。
果たしてサメを退治できるのか。どんな方法ならば巨大ザメを殺せるのか……!
はじめてこの作品を観たのは小学一年生のころ……たしか金曜ロードショーだったかな。地元の海に近づくのが怖くなりました。ひと夏のトラウマです(笑)。続編の「ジョーズ2」までは一作目に続きロイ・シャイダーが主演です。
SFとは異なるモンスターパニックの走りとなる映画です。全編通して鑑賞していない方、せっかくの外出自粛期間にいかがでしょうか?
余談ですが、この作品の影響で森林公園に出現した巨大クマが出てくる「グリズリー」、イタリアでは海底トンネル工事の調査機器が原因で巨大タコが人々を襲う「テンタクルズ」等モンスターパニックホラーが量産されました。
興味のある方は、一度チェックしてみてくださいね。




