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第23回 ボーン・コレクター

 第21回まで紹介させていただいた作品は80~90年代の作品が多いので、今回は2000年に入ってからの作品にしようと思います。


 一言ひとことで2000年と言っても一年間で公開された映画ってたくさんありますよね。 どの作品から紹介しようか迷いに迷いましたが、デンゼル・ワシントンが好きなので(?)彼の主演したサスペンス作品にしようと思います(『ペリカン文書』も好きなのですが、今回は2000年代作品が優先だったので)。


『ボーン・コレクター』(2000年公開)


 原作はジェフリー・ディーヴァーの著書です。

 原作をお読みになった方はおわかりかと思いますが、面白いです。

 ある事故で脊椎損傷し、体の首から下が動かせなくなった科学捜査官リーンカーン・ライムが主人公。彼のサポートして現場で鑑識作業を行う巡査アメリアをアンジェリーナ・ジョリーが演じます。


 事件の冒頭は空港からセレブ夫妻がタクシーを拾って自宅へ帰ろうとするところからはじまります。伝えた行き先とはちがう方向へ走るタクシー。夫は抗議しますが運転手は無反応。混乱を極める夫妻を乗せたまま謎のタクシーは走り去ります。


 女性警察官アメリアがパトカー無線の要請で向かった現場は鉄道の路線。警察に通報したのは子どもで路線沿いに男性の遺体が埋められていたのです。かろうじて顔だけが露出するように上手く埋めてあるのが怖いんですよ……!女性警官は遺留物がかき消されてしまうことを案じてすぐそばを通過する路線電車をギリギリのところで停めました。使い捨てカメラを使って彼女が撮影した遺留物や遺体の現場写真がやがてリンカーン・ライムの目に留まります。


 発見された遺体の男性は、タクシーで連れ去られた夫婦の夫のほうだったのです。現場には犯人が意図的に残した遺留品が。次の犯行=妻の居場所の手がかりでした。

 女性巡査はライムの代わりに連続猟奇殺人事件の現場に赴くことになるのですが。現場での証拠採取。上司との衝突等など事件の手がかりをたどっていく彼女の心にも闇が存在することが明かされていきます。


 衝突しながらも事件の謎と犯人の狙いに迫っていく二人。

 そしてライム自身にも葛藤があることも描かれていくのでそこらへんも観ていただきたいです。

 

 この猟奇殺人の犯人がエグい。謎が解けていくうちにタイトルの由来もわかっていくので注意して観て欲しいです。


 最初に観たのはレンタルしてきたソフトを家族で鑑賞したときです。前評判がとにかくよかったけど、本当にぐいぐい引き込まれるカンジでした。

 一見怪しく見える人物がたくさんいます。惑わされた挙句「そっちか!」という印象。

 全体を通して狂気的な犯行と謎の解明に気をとられてしまいますが、ライムとアメリアの「再生」の物語とも思えました。


 原作を読んだ方は、映画と比較しながら鑑賞するのもいいかもしれませんね。

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