第21回 アウトブレイク
コロナウイルスで世の中が混乱を極めている今だからこそ観てほしい作品です。
『アウトブレイク』(1995年公開)
アウトブレイク=「爆発的な感染」(ここではパンデミックという表現ではないんですね)。この作品を観た当時、感染症の恐怖というものを知りました。
アフリカから致死率の高いウイルスの宿主となったサルが航路でアメリカへ持ち込まれたのがことの発端です。サルをペットショップに売ろうとした密輸人や彼に接触した人間が何も知らずに繁華街へ。飛沫感染により街一つで爆発的感染を引き起こし、さらに被害は拡大していきます。作中で感染力の強い架空のモターバ・ウイルスは、エボラウイルスを連想させる症状で描かれています。
主人公はアメリカ陸軍の感染症医学研究所の研究チームを率いるダニエルズ軍医大佐。感染源を突き止めるために奔走しますが、その間にも感染者数は膨れあがり、同僚であるシュラー中佐も疲労がもとで起きた不慮の事故で感染、死亡してしまいます。そして彼の最愛の女性までも命の危機に……彼はウイルスの脅威からアメリカ全土を救えるのか? ウイルスの高い致死率の影に米軍の陰謀と絡んだりしてハラハラする作品でした。
観るのがつらいという方もいると思うのでみんなにお勧めできる作品ではありません。
題材が恐怖のウイルスというだけあって死人も出ます。多くの人々は、なんの落ち度もなく感染し、命を落としてしまうのです。
それでも医療前線で戦う医師、研究者、拡大を食い止めるべく感染源を探る人たちもいます。できることならば「この国は医療が発達しているから大丈夫」なんて軽視するのはやめてください。現実から目を逸らさずに他人事なんて思わないでください。
「退屈だから感染者の少ない地域になら遊びに行っても大丈夫だろう」とか甘えた考えは捨ててください。もう自分が感染者なのかもしれません。
もし、今回のコロナウイルスがエボラ級の高致死率のウイルスだったなら、東京オリンピック・パラリンピックは早々に延期または中止されていたでしょう。
政府もいいかげん人命を最優先してほしいものです。
映画のモターバ・ウイルスは血液・唾液などの液体を介した接触感染のみとされていましたが、時間が経つにつれて空気感染も可能になっていったのです。それだけウイルスが進化してしまうという怖さがあります。コロナがそうならないと言えるでしょうか?
大事な人のためにもどうか不要不急の外出を避けてください。
不安ながらも出勤して仕事をしなければならない、外出しなければならない方(私もその一人なのですが)は最善の感染対策をお願いします。
終息宣言される日が一日でも早く訪れますように。




