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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中

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90/112

90:お仕置き。

 本日はランスロット家一向が王都から帰路へとつく日だ。


 とてつもなく長く感じたのは、とても濃厚な時間を過ごしたからだろうか。


 もう今日という日が来たことに歓喜さえ覚える。ここだと気にすることが多すぎて好き勝手出来ないから屋敷に戻りたいと何度思ったことか。


「グリーテンは帰ったの?」


 昨日はベラとグリーテンに挟まれて寝たが、朝起きてみればグリーテンの姿はなかった。


「グリーテンさまなら、夜中に国王さまの使者に呼び出されました。それが終わればランスロット家の馬車に追いつくとのことです」

「そうなんだ」


 もしかして昨日俺がアンリ・ペンドラゴンをアンリちゃんにしたことで呼ばれたのか?


 まあでもあれはどうやっても戻ることはできないからグリーテンもすぐに追いかけてくるだろう。


 何せあれは俺にしか解くことも、かけることもできない呪いなのだからグリーテンでもあれをどうにかできるわけもないし、しようともしないだろう。


「準備はいいかな? アーサー」

「うん、大丈夫」


 部屋にある私物をベラが空間魔法で収納して、ここを出る準備は整った。


「買い物をして帰るんだよね?」


 そもそもランスロット家が普通に買い物をするとか目立つからやめておいた方がいいのではないだろうか。


「いや、それは中止だよ。今は色々と王都が騒がしいから、もう王都を出るぞ」

「えっ、分かった」


 俺が知らないところで何が起こっているのだろうか。これで予定が消えるのは二度目か。


 でも特に重要な予定でもないから消えても何も感じない。確かに王都ではブリテン王国以外の場所から物が流れてくるが、そこら辺は天空商会がいるから関係がない。


 あぁ、でもグレゴリーたちにお土産を買ってあげよ。お金と品物を交換しておけば問題ないだろ。問題あるけどね。少し多目に払っておくから勘弁してほしい。


 それにしても、昨日千里眼を使ったのはアンリちゃんを探すためだったが、それ以外に何が起こっているのか見ればよかった。


 まあ特に気にすることでもないからいいけど。というか今までの騒ぎ、すべて俺が引き起こしてないか? あれ? 俺が何もしなければこんなことには……気にしない気にしない。


 王都から出て行きさえすれば、ディンドラン・パーシヴァルとギネヴィア・ペンドラゴンと会うことは難しくなる。


 ディンドランさんなら来そうだが、ギネヴィアさまならそう簡単に来れるものではない。何せ王女なのだから。


 その地位は厄介だが、厄介だからこそ行動範囲に入らなければどうということはない。


 クレアは俺があちらに向かうから関係ない。


 これでゴチャゴチャしている婚約者関連の話と離れることができる。


 もう色々とありすぎて、王都にはもう来ないようにしようと心に誓うことにする。


 帰りは行きと同じようにお父上様とお母上様とは別の馬車に乗り、今回はグリーテンがいないからベラと二人きりだ。


「ふぅ、やっと帰れる」

「そうですね。王都にはあまりいい思い出はありませんから」


 そう言えばアンリちゃんと関係があるんだっけか、ベラは。


 それならなおさらアンリ・ペンドラゴンをアンリちゃんにしてよかったし、王都から離れないといけない。


 それにしても王都にはいい思い出がない割には、そんな素振りを見せてこなかったから、俺はまだベラの表情を理解していないということか?


「ベラは、王都にいることが嫌なんだよね?」

「はい、いたくはありません」

「ごめんね、僕に付き合わせちゃって」

「何を仰っていられるのですか? 私はアーサーさまのおそばにいられるだけで、どんな場所であろうと苦ではありません。王都であろうと、地獄であろうと、どこへなりともお供するつもりですから」


 それは俺が死んだら一緒に死ぬって言っているんだろうね。まあ俺が死ぬことはないからそこら辺は心配しなくていいか。


 それにしてもこの激重感情はどこから来ているのは俺には分からない。


「そっか。それなら危ないところには行けないね」

「私がいなくても危ないところに行かないでください。それにもう一度申しておきますが、私に秘密にしてどこかに向かわれるのはなしですよ」

「それは分かっているよ。七天教会の時も一緒に行ったでしょ? それでどこに行くにも一緒だと分かったよね」

「はい。ですがどうしても必要な時以外はおやめください」

「僕にはベラがいるから大丈夫だよ」

「……ありがとうございます。ですが私は最強ではありませんから」


 大丈夫、俺がいればベラは最強になれるから。


 あとその照れている顔が可愛くていいですね。


「アーサーさまから頂いたこの『アーサーレッグ』があれば、大抵の荒事は何でもできそうです」


 ベラがメイド服をたくし上げて綺麗な足を見せてきた瞬間に、俺が七天教会にカチコミに行った時にあげた足の鎧の魔道具が出現した。


 アーサーレッグ、何だかアーサーレッグって言うのが少し恥ずかしいが、アーサーレッグは所有者の意志のままに装着したり消えたりと自由自在になっている。


 収納している状態で誰かに気付かれることはないから、いつでも武装が可能ということだ。


「それは良かった」

「……それに、この指輪もありますから」


 少しだけ微笑みながら左手の薬指にある指輪に触れるベラ。


 あの指輪をあげた時には、ベラが俺から離れて行くものかと思っていたが、全くそんなことがなかってよかった。


 王都だとこういう心配をしないといけないとか、どんな魔境だよ。まあ貴族がたくさんいる分そういうことが起こりやすい場所なんだろうな。


「ベラ、それをつけているということは、僕から絶対に離れちゃダメだよ?」

「はい。元よりそのつもりです」

「絶対にだよ?」

「はい。そこまでご不安になられるのなら、四六時中そばに仕えることをお許しください」

「えっ、いやそこまではいいかな」

「私のことがお嫌いになられましたか? それならば謝罪させてください」

「いや、四六時中はさすがに色々とベラの仕事とかあるだろうし」


 念を押しただけなのにどうしてこういう会話になるのだろうか。


 俺としては問題ない、いやクレアに会う時とかシルヴィー姉さんとルーシー姉さんと遊ぶ時にベラがいたら、悪い言い方をしたら邪魔になるし。


 俺は別にいいんだよ? でも相手がそう思うから……うん。


「アーサーさまが起床される前に、すべて終わらせておきます」

「それだとベラが死んじゃうよ」

「アーサーさまと一緒にいられなければどちらにしても死にます」

「ベラには死んでほしくないから、ね?」

「それならば、お許しください」


 えぇー、何だかメンドクサイ女になりつつあるんだけど、このメイド。


 まあここはベラの主としてビシッと言わないといけないな。


「それはダメ。あまり僕を困らせないで」

「……申し訳ございません。過ぎたことを申し上げました」

「僕ととても一緒にいたいということは分かったし大好きだということも分かったけど、節度を守ってね」

「はい、かしこまりました」


 ふぅぅぅぅぅ、ここは主の威厳を見せたぜ。これでベラも激重感情を真正面からぶつけてくることはないだろう。


「過ぎた真似をした罰を、アーサーさまから頂きたいです」

「えっ」

「罰を与えられれば、私も過ぎた真似をしないようにするはずです」

「えっ、それを本人が言う?」


 このメイド何を言ってんの? どうしたんだ? 誰かに操られているのか!? いや、俺のほぼ全能が異常なしと言ってきている。異常だった方が良かったんだけどね。


 それに何で期待の眼差しをしているんだ? 罰って何だよ。適当に言ってみるか。


「じゃあ、一週間僕と会うのをやめる?」

「死んでしまいます。もっと物理的なものでお願いします」

「ワガママだね」

「私が死なない程度の罰をお願いします」


 えぇー、このメイドは何を望んでいるんだよ。しかも絶対に罰を受けたくて言っているだろ。


 どうやっても罰を受けたいようだから、もう思い浮かんだこれでいいや。


「じゃあお尻ぺんぺんね」

「はい、かしこまりました」


 ベラは下に四つん這いになってこちらにお尻をフリフリとしている。


 ……この光景を見て思ったんだが、このメイドはグリーテンにあれほど言っておきながら、自分もこうしてヤバいことをしていると自覚があるのだろうか。


 まあいいや。ベラのお尻を軽く叩いて終わらせることにした。


「アーサーさま、お舐めになられているのですか?」

「な、なに?」

「こんなものが罰なわけがありません。しっかりと、思いっきりお尻を叩いてください」


 もう一種のプレイとしてとらえよう。こういうことは主とメイドでは当たり前だと考えれば、まだできる。


 ほどよく痛い感じで、ベラのお尻を叩いた。


「ッ! ……一発ですか?」


 ベラが四つん這いをしながら、顔を俺の方に向けてきたが、その顔がその程度かと言わんばかりのものだった。


「何発にしてほしい?」


 やられっぱなしなのは良くないから、こちらも仕掛けることにした。


「お気の済むままに」


 これはベラの性癖なのだろうか。それなら主としてしっかりと向き合わないといけないんだよな。


 俺は無言でもう一発ベラの柔らかいお尻に叩きこんだ。


 ベラは何も言葉を発さずに、ずっと四つん這いをしているから、再びお尻を叩いた瞬間に、その瞬間に馬車の扉が開けられた。


「あら~」


 お母上様がこちらを見ながらニヤニヤとしていた。


 ……えっ、どういうこと?


「薬指の指輪だったり~、何だか少し距離が近いなぁと思っていたけど~、そういうことだったのね~。でも~、こういうことはちゃんとした場所でやるのよ~」


 そう言ってお母上様は扉を閉めた。


「見られましたね」


 軽い感じでそういうベラだが、俺がこんなことを趣味にしているとか思われそうなんだが。


 何もかも、ベラのせいじゃね? 何で俺はこんな心配をしているんだ?


「ベラ、後でお母さんに説明してね?」

「はい、かしこまりました」

「……何でまだ四つん這いになっているの?」

「見られた罰は受けていませんが」


 もうこうなったらどうでもいいや。


 百発くらい叩いてやろ。

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