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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中

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65/112

65:豪運なディンドランさん。

「メイドを全裸にして遊んでいるとはどういうことだ!? そんな性根の腐った男だったのか!? 昨日は見直したというのに、こんなことをするとは見損なったぞ!」

「そういうことではないですよ!」


 ディンドランさんが詰め寄ってくるのだが、あながち間違ってはいないのがあれだな。


「ベラ~? もしかして邪魔をしたかしら~?」

「やましいことをしていたわけではありません。アーサーさまとゲームをしていただけです」

「ゲーム~?」


 瞬息でメイド服を着直したベラの言葉を聞いて首をかしげるお母上様。


「あら~? これはぁ、何かしら~……?」


 お母上様はテーブルの上に置いてあるトランプカードとチップを見てから俺の方を見た。


 俺が作ったことはお母上様の中では確定なのだろう。それは当たっているし今までのことを考えたら当然だけど。


「ディンドランさん、僕はゲームをしていたんですよ」

「ゲームでメイドを全裸にするのか!?」

「全裸になったのは成り行きというか……ベラの弱さが原因と言うか」

「うっ……」


 すべてを説明したらベラがおバカであることは公開されてしまう。


「アーサー、これの説明をしてくれる~?」

「うん、分かった」


 それは少し可哀想だから、お母上様にトランプとブラックジャックについて説明する。


「へぇ~、面白そうねぇ」

「よくこんなことを考えられるものだ」

「物は試しだから、全員でやってみる? 僕がディーラーをするね」

「いいわね~! やりましょ~」


 面白そうなものをお母上様が見逃すわけもなく、俺がディーラーのお母上様とベラとディンドランさんがプレイヤーでブラックジャックをすることになった。


 俺がカードを二枚ずつ配り、俺の手の一枚はアップカードになっているAで、一枚はホールカードの状態で置かれているわけだが。


「おっ、これは一番強いんじゃないのか?」

「そうですね。ブラックジャックですね」


 初手でディンドランさんがAとクイーンでナチュラルブラックジャックになっていた。


「あら~、ディンドランちゃんは強いのね~」

「……すごいですね」


 10と4のお母上様はいつもの感じで驚いていて、キングとクイーンのベラは少しだけ羨んだ様子をディンドランさんを見ていた。


「あまり嬉しくはないな。こんなことで強くても何も感じない」


 うわっ、それはベラを煽っているんですか? いつもと変わらない感じがするが、分かる人ならすっごい目でディンドランさんを見ているベラだと分かる。


「じゃあ次はお母さんだね。どうする? 引く?」

「う~ん……引くわぁ」

「はいどうぞ」

「5ね~。これでスタンドするわ~」


 19になれば普通はスタンドする。


「ベラはどうする? スタンドするよね?」

「いえ、ヒットします」


 ベラの発言にお母上様もディンドランさんも困惑した表情でベラを見ていた。


 ベラの手は20で、19でもスタンドするのにヒットを要求してくるベラ。


 これがベラの意味が分からない点だ。いや、別に百%失敗するわけではないけど、20なら失敗する確率の方が高いのは分かることだ。


「べ、ベラ~? あなたはぁ、20よ~……?」

「はい、Aを引けばいいだけの話です」

「そうねぇ……」


 確固たる意志を持つベラにお母上様はすぐに引いた。


 そしてベラがカードを引くとジャック。30になった。


「バストだね」

「……そうですね」


 本当に行けると思っていたけど行けなかったみたいな顔をしているが、その根拠が本当に分からない。


「じゃあ次はディーラーの僕の番」


 ホールカードを開くと、Aであった。つまりは20。


「ディンドランさんは元々勝ちで、お母さんとは引き分け、ベラは負け。こういうゲームだよ、分かった?」

「分かったわぁ。もう一回してみたいわね~」

「いいけど……ディンドランさんはいいんですか?」

「こういうゲームをしたことはなかったからな。少しは気分転換にはなる」


 ディンドランさんも少なからず乗り気のようだ。


「どうせだからこうしようか。チップを今から百枚渡すから、チップを稼いだ分だけ僕から何か豪華賞品が贈られる。僕にできる範囲なら何でもいいよ」

「それならぁ、私がお願いしていたことをしてもらってもいいかしら~?」

「お父さんに内緒で?」

「そうよ~」


 直近でお母上様にお願いされていたことはスマホを大量に作ること。


 まあお母上様なら何とかしてくれるだろう。でもお父上様は周りの大人、お母上様とグリーテンとは全く意見が合っていないような気がするなぁ。


「いいよ」

「アーサーさま、よろしいのですか?」

「お母さんも考えなしじゃないんだからいいと思ってるよ」

「……はい」


 ベラもそこは納得してくれたようだ。


「ディンドランさんも僕にできることがあればしますよ?」

「それならばアーサーと鍛錬をする権利だな。ここに来た理由はそれだからな」


 あぁ、やっぱりそう言う理由で来たのかディンドランさん。


「分かりました。で……一応ベラも聞いとくよ」

「何ですかその負けるのは当たり前みたいな言葉は」

「ベラはどうせ勝てないよ」

「先ほど最後の一回は勝てました。勝てたチップの分だけ一日を頂きます」

「うん、分かったよ」


 カジノとか作ったら普通に儲けられると思うんだよなぁ。


 まあそれで貧乏人がいっぱい出てきたみたいなことにならないように、産業革命は起こしておきたい。


 カジノで人生が終わらないようにはしたいからな。カジノは一番金がかかる娯楽だから後回しだ。


「カードを配ります」


 百枚のチップを三人に配り終え、ゲームをスタートさせた。


 ☆


 数十回のゲームを終わらせた結果。


「……また、できませんでした」


 全戦全敗で持ち金ゼロのベラはまさに幸運の女神に見放されている。ベラの考え方、運がすべて噛み合ってベラをギャンブルの全敗の女に変えた。


 負けようとしているのではないかと錯覚してしまうのだが、それは違うのだろうな。


「まあまあね~」


 さすがはお母上様と言ったところで、負けるところもあったけれど勝ちがかなり多かった。


 お母上様の戦い方が普通で、かなり頭が切れる人の戦い方をしていたところを見ると、お母上様はこんな雰囲気をしながらやっぱりやるなと感じた。


「な、何だかすごく多くなった……!」


 そしてベラとは対照的に全戦全勝を見せてくれたディンドランさんの手持ちはチップが大量にあった。


 これはもう凄まじいとしか言いようがない。


「ディンドランさん、ギャンブルの才能がありますよ」

「ぎゃんぶる? 何だそれは?」

「こういう賭け事のことですよ」

「そうなのか? あまりよく分からず勝ったからな……」


 ディンドランさんは何も考えずにやったのにもかかわらず、すべてのゲームにおいてブラックジャックを出している。


 ナチュラルブラックジャックの時はあったし、そうじゃなくても三枚目ではブラックジャックになるような数字だった。


 しかもそれを数十回とやってすべて出しているのだから、これを才能と言わずして何と言うのだろうか。


 幸運だけを見れば、ギネヴィアさまを超えている。まあ本人はそれを持っていたとしても嬉しそうではないのだが。


 ただ一人だけ、その才能を羨んでいる人はいるけどね。


「……はぁ」


 小さなため息をこぼすベラに、何と声をかけたらいいのか分からない。


 まあ、それ以外は完璧なんだし、プラスの方が強いだろ。こうして賭け事をしていなければマイナスを知らなくてよかったけどね。


「ベラって、僕に会えたことで幸運を使い果たしたのかな?」


 ベラの近くに行ってそう問いかけてみる。


「……そう考えれば、何だか気にならなくなりました」

「そう? それなら良かった!」


 そんなことで幸運を使い果たしていたら他のみんなはどうなるんだって思うのだが、ベラが納得しているのなら良かった。

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