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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中

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63/112

63:リアルタイムマップ。

 昨日はギネヴィアさまが襲来してきて、結局あの日は日が暮れるまで『カミサマシミュレーション』をプレイしていたギネヴィアさま。


 そしてそれを持って帰りたいと言い始めるのは分かっていたから、手のひらサイズに小さくできるようにしてそのままバレずにお持ち帰りしてもらった。


 一応他の人には漏らさないでくださいとは言ったのだが、ギネヴィアさまのことはまだそこまで分かっていないから黙っておけるかどうかは分からない。


 しかもそれをネタにまた言われるのではないかと思ったのだが、ギネヴィアさまとそんなに会うことはないだろうし、昨日出てきたのもたぶん無理矢理来たのだろうと思っているから俺に会いに来れないだろう。


 カミサマシミュレーションがバレてしまっても、それ自体はそこまで重要な物じゃないから別に構わないが。魔道具を作れることは露呈してしまうけど。


 そんなこんなで昨日は俺の大事な一日が潰れてしまったわけだが、今日も何もない日だからゆっくりしたいとは思っている。


 屋敷にいても、鍛練がほぼ占めているからこうして自由な日が二日連続になるのはあまりない。


「ね~、ベラ~」

「どうなされましたか?」

「ベラは休みの日とかないの?」


 俺がこの世界に転生してからベラが俺の専属メイドになっているわけだが、ベラが休んでいる日が全くない。


 シルヴィー姉さんの専属メイドであるエルザや、ルーシー姉さんの専属メイドであるジャンヌはしっかりと休みととって代わりのメイドが身の回りのお世話をしている。


 だが俺はベラ以外のメイドに身の回りの世話をしてもらったことがないのだ。俺は毎日生きていて、いない日はないから……ベラ休んでないよな。


「私は休まなくても問題ありません」

「でも休まないと倒れちゃうよ?」

「そんなに私といたくありませんか?」

「そんなことはないよ! ベラにはずっと一緒にいてもらいたいって思っているけど、それとこれとは別だよ!」


 少しだけ悲しい目をするベラだったが、ランスロット家の次期当主として労働者を心配するのは当然のことだ。


「もし休みを取りたいと思っても、心配の種があれば休みたくても休めません」

「うっ……でもそれはちゃんと約束したから……」

「はい、それは承知しています。アルノさまからもそのお言葉を受けていますが、今こうしてアーサーさまのメイドをしているだけで生きていると実感しています。何より疲れることはありませんので私を一生お側においてください」

「……ベラがそう言うなら、一生お願いね」

「ありがとうございます」

「一生を望むんだから、何か対価を考えないとね」

「いえ、十分にアルノさまよりお金をいただいています。何よりこの生活だけで私は満足していますから」


 少しだけどれくらい貰っているのか考えたが、それはどうでもいい。


 でもベラにこう言われても一生を誓われる身としては何かしたいものだ。それにベラを放したくないし。


「そっか……なら何か僕にできることがあれば言ってね」

「約束と、一生お側においてくださるのなら何もありませんが、承知しました」


 ベラがそう言うのならいいのだが、俺と一緒にいることがいいというのは嬉しさがある。


「今日はどこかに出掛けるから、一緒に行こっか」

「ダメです。話の流れで誤魔化さないでください」


 ちぇー、行けると思ったんだけどなぁ。


「この宿で一日いるよりも出掛けた方が健康的だって」

「危険です。まだ作者を出していない今、ランスロット家は狙われる可能性が高いはずです」

「そんな人たちに行動を制限されたくないよ! 狭間の指輪を使うからいいよね?」

「危険です」

「僕も鍛練をして大丈夫だし、ベラもいるからいいよね?」

「何を言われても私の答えは変わりません。危険です」


 静粛さんのせいでベラの許可が全く降りなくなった。あの人が一番悪いわけではないけど、次に会った時にいじめてやろ。


 静粛さんと話すのもいいけど、今はそういう気分ではないから帰ってからした方がいいな。


「僕とデートだよ? したくないの?」

「危険な目にあえばデートではなくなります」


 ベラは心配しすぎなんだ。少しは俺の魔道具を信頼してほしいものだ。


 俺の魔道具はグリーテンに褒められているのだからその性能はこの世の何よりも優れているのは言うまでもない。


 ただ、それでも心配してくれているのだろうな。


「……分かったー」

「ご理解いただけて何よりです」


 外に行くのは諦めた。でも時間を潰すために何もしないことは絶対にない。


 前世の俺なら寝たりネットサーフィンをしたりするのだが、この全能の体になって寝なくても万全な状態だし、眠たくならない。眠れないわけではない。


 ネットサーフィンができるのはまだまだ先だが、そんなことはいいんだ。


「ちょっと魔道具を作るね」

「はい」


 昨日と同じように机の上に正方形の箱を作り出す。ただしそれは最初から中にこのブリテン王国の王都を上から一望できる状態で展開されている。


「これはリアルタイムでその場所で何が起こっているのか見ることができる、『リアルタイムマップ』だよ」

「どういうことですか?」

「そう。ほら、こうして見たい場所に近づけていくと……」


 この『リアルタイムマップ』の箱の側面に操作する場所があり、それを操作すると王都の上から一望できる景色からこの宿に光景は変わった。


 そして宿からこの部屋の中に光景が移り変わると、俺とベラがこの箱を見ている光景が映し出されていた。


「ッ!? ……ここにいても他の場所が見れる魔道具、ですか」


 立体的にここを映し出されていることで、ベラは周りを確認するが当たり前だがそこには何もない。そのベラの行動もこのマップで確認できている。


 この魔道具は様々な高難易度の魔法が組み込まれていて、酷い使い方をすれば監視だってお手の物だ。


「そうだよ。これで外の様子を見て外にいるような感じにするね」

「毎度、アーサーさまの魔道具には驚かされてばかりです」

「そう? ありがとう」


 前世で町並みを見たとしてもあまり興味がなかったけど、こういうファンタジーみたいな、中世ヨーロッパみたいな町並みを見るのは少しワクワクするから今は楽しい。


 こういう街を見ていると、未来都市や地下都市みたいなものを作っても面白いかもしれないと思った。そのためにはそれを生産する場所を作らないとな。


 娯楽でもそうだが、俺がすべて作っても意味がない。それを広げて、他の国も豊かにならなければ俺の望む世界はできない。


 一番手っ取り早いのが世界征服をすることだが、まあそれは最終手段ということで。


「見てベラ。天空商会書籍専門店はどこもいっぱいだね」

「まだまだ持っていない平民はいますからね。それをランスロット家の使用人たちはすぐに読めますから、使用人たちは喜んでいると思います」

「それは口止めの意味もかねているからね。このままマンガの文化が広まってくれれば嬉しいな」

「きっと広まります。アーサーさまが広めているのですから」

「そうだといいね」

「これは客観的な意見です。これはきっかけに過ぎません。これをきっかけに、アーサーさまがお生まれになられたのがきっかけで、世界は動き出しています」


 それ、イヤだなぁ……それって世界の中心ってことだろ? 俺はせめて中心で回るやつのそばにいるくらいで十分だ。


 ベラとそう話しながら色々なところを見て回っていると、人々が行き交う場所から外れた場所に人がいることに気がついた。


「ここってなんだろう……?」

「そこはまだアーサーさまには早すぎます」


 ベラが俺の後ろに回って俺の目を塞いできた。


「うわっ……なんで~?」

「そこはこの国でも闇の部分です。今のアーサーさまには刺激が強いです」


 刺激が強いってなんだよ。お姉ちゃんたちが相手してくれる場所か? でもそれは闇の部分ではないな。


「僕はランスロット家を継ぐ男なんだよ? そんなの遅いとか早いとかないよ」


 ベラが心配してくれているのは嬉しいが、でも気になるし……。


「……分かりました。では私の口からお話しします」

「見ちゃダメなの?」

「ダメです」


 ベラに説明されてからこっそりと見てみよ。


「この道の先には、奴隷商売が行われています」

「えっ、奴隷ってブリテン王国では禁止されているんじゃないの?」

「禁止されています。ですがブリテン王国の貴族の中には奴隷を強く賛成している貴族がおり、この奴隷商売はその貴族によって守られている場所になります」


 ホントに闇じゃん。


 こういう世界で奴隷は当たり前だと思っていたけれど、意外にも禁止されているのだと知った時は思った。


 でも俺は奴隷には反対だし、奴隷で幸せなことなどありはしないのだから奴隷制度がなくて良かったと思っていた。


「もちろん、ランスロット家は奴隷制度に反対していた貴族でアルノさまも積極的に奴隷商売にかかわっている貴族の摘発など行っています」

「そうなんだ……」


 お父上様、色々なことをしていそうだな……。少しは労わないとかわいそうだけど、結局それは奴隷にかかわっているやつらが悪い。


「奴隷って、人間だけなの?」

「いいえ。人間は一割ほどで、亜人、獣人、魔人など他の種族が九割を占めています」


 あぁ、なんだか想像通りと言えば想像通りだな。


 でもブリテン王国は他の人間以外の国と和平を結ぼうとしているから、奴隷は本当にまずいんだろうな。


「……それ、奴隷を持っている貴族たちを一掃したいね」

「はい。ですが証拠がなければできませんが相手は腐っても貴族。そういう情報には敏感ですから中々尻尾をつかませてくれません」


 ハァ、そういうことは勘弁してほしいところだ。俺が当主になればさっさと物理的に潰したりするが、今はお父上様の手助けをしよう。


「そういう情報交換をスマホでできればいいね」

「……そうですね。そうなればアルノさまもアーサーさまに要請されると思います」


 色々と問題があるのは仕方がないが、問題は多そうだ。

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