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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中

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44/112

44:五歳、そして王都へ。

 ついに……ついに……五歳に、なってしまった……。


 何だか四歳の期間がかなり長かった気がする。10から四歳だったんだろ? あっ、いやこっちの話なのでお気になさらず。


 それにしても五歳の誕生日はそれはそれは今まで以上に盛大にお祝いされた、それも街を上げて。


 ただ街に出ることはまだ許されることはなく、お父上様に言ってもまだ早いと言うだけだった、何故だ。別に危険じゃないことは俺が身をもって分かっているのに。


 まあそんなことを言えないし、てかさすがにそんな大々的にお祝いされるのも結構嫌なんだが。


 だが問題はそこじゃない!


 五歳になったからもうそろそろで社交界デビューがあるということだ……ハァ。


 他の貴族と会うとかかなり嫌なんだけど。サグラモール家の人たちは全く問題ないんだが、貴族らしい貴族と会うなんて嫌なんだが。


 こう、傲慢? というか自慢話しかしない貴族はぁ……会いたくないなぁ。


 一番何が嫌かと言えば、謎のヘイトを向けてきている王子がいる王都に行きたくないということなんだよなぁ。


 俺の婚約者、元婚約者? のディンドラン・パーシヴァルさんは公爵家だから会う確率は高そうだ。


 どういう顔で会えばいいん? もう他人のフリをすればいいん? 婚約者面する気はさらさらないが、話が拗れるのだけはやめてほしい。


 俺的にはもうクレアさんがいれば誰もいらない! クレアさんはいい子だ!


 クレアさんにスマホを渡しているから頻繁に連絡を取り合っており、こちらの話をしっかりと聞いてくれたり、笑い方も可愛いし、努力家さんという前世だろうと今世だろうと好きになるタイプだ!


 しかも、俺が渡した課題をかなり終わらせていて、アイから聞いたクレアさんの様子を見るに全く無理をしていないとのことだ。


 時間が空いたと言われたら、前世の科学資料を渡すのもありだな。興味を持ってくれそうだし、楽しく学んでくれそう。


 だからこそクレアさんはとてもいい子でクレアさんだけでいい! ノエルさんも絶対についてくるだろうけど、それ以上にクレアさんはいい子だ!


 ただそうはいかないのが貴族なんだろうなぁ……。俺がこの世界に生まれて間もなければ、いっそのこと家を出るという選択肢があったが、今は家族を、このランスロット家を、ランスロット領を愛おしく思えているからその選択肢はない。


「はぁ……」

「どうなされましたか?」


 今はアニメのコマを描いている途中で、これからのことを考えて手を止めて空を見てため息を吐いてしまった。


 そのことを俺の作業を見ていたベラが聞いてくれた。


「いや……社交界デビューとか、少し心配になって……」

「アーサーさまなら全く問題はありません。授業もすべて終えられたのですからアーサーさまは堂々としておられればよろしいかと」

「うん……」


 まあそこら辺をクリアしたらお父上様みたいにあまりパーティーに行かないようにしよう。公爵家の子息だからそこら辺は大丈夫だろ。


「それよりもアーサーさま」

「なに?」

「この絵はどうやって見るものなのでしょうか?」

「それはまだどうやっても見ることはできないよ。まだアニメとして作り始めたばかりだからね」

「アニメ……どういうものですか?」

「それは……」


 メルシエさんとエマールさんに説明したようにアニメをベラにも説明したところ、かなり興味を示していたがさすがにアニメをすぐに作ることはできない。


 そのことを言ったところ、ベラが少し残念そうな顔をするんだと思った。


 ☆


「アーサー、準備はいいかい?」

「あー、うん……」

「浮かない顔をしているね。でも心配することはないよ」


 ビクビクしていた俺の前に数日前、お父上様から地獄の宣告がされた。


 よりにもよってパーシヴァル家からパーティーの招待状が届いてしまった。それも五歳になった俺を名指ししてね。相手は俺に社交界デビューをさせるつもりなのだろう。


 パーシヴァル家は王都にいる貴族で、王都で開催されるパーティーに向かわないといけない。


 パーティーに参加するために公爵家として相応しい衣装をあらかじめ新調しており、荷物はベラが空間魔法で収納してくれた。


 今日は王都に出発する日であり、ここから王都までそこそこ距離があるから早めに出ておかないといけない。


「……アーサー、気を付けて」

「えっ? う、うん……どうして?」


 今回のパーティーではランスロット家からはお父上様、お母上様、俺しか行かないから、シルヴィー姉さんとルーシー姉さんは家でお留守番だ。


 そのシルヴィー姉さんから不穏な言葉が聞こえてきた。


「王都には、ブリテン王国第一王子アンリ・ペンドラゴンがいる。あいつには気を付けて」

「あー、うん、気を付けるよ。ありがとうシルヴィーお姉ちゃん」


 そうだよなぁ、そいつがいるから本当にどうしようもないんだよなぁ。顔すら知らないのにそうやって思える第一王子の性格ってどうなっているんだ?


「ヤバい人なの?」

「……キモイ」


 ヤバい人の回答がキモイってどういうこと?


「キモくて……弱い。……でも王子」

「あー」


 まあ最悪な組み合わせだよね、それ。


 でも、シルヴィー姉さんが嫌っているのは分かっているから、人知れず再起不能にすることはアリだな。


 生きていてもしょうがない奴は世の中腐るほどいる。俺は善人じゃないんだから、そういう奴らを一気に殺せる力を持っているんだ。


「何かして来れば……折って」

「なにを?」

「……そんなことは、言えない。口が汚れる」

「それもう答えだよね。跡継ぎができなくなるよ」

「ん……バレなければ、大丈夫」


 そうか、バレなければ誰もさばくことができない事件が宙ぶらりん状態になるのか。


 もうこれは天命と言っていいほどの言葉だ! さすがはシルヴィー姉さん!


「……任せて!」

「……お土産話を期待している」


 ふっ、シルヴィー姉さんに喜んでもらえるように第一王子の評判を地に落としてあげよう。


 俺の言葉に満足したシルヴィー姉さんはお父上様とお母上様の方に向かい、入れ違いでルーシー姉さんが来た。


「アーサー、私が許可するわ。アンリ・ペンドラゴンを殺しなさい」

「いや、お姉ちゃんが許可しても僕が処刑されるよ!」


 お姉ちゃんたちはどちらもアンリ・ペンドラゴンにどれほど深い恨みがあるんだよ。


「シルヴィーお姉ちゃんもそうだけど、第一王子に何かされたの?」

「……えぇ、あいつには恨みしかないわ……!」


 うわっ、すっげぇ血走った目で言っている辺り尻をまさぐられたか胸を揉まれたかをしているな。


「あいつは、アーサーしか触れるのを許していない私の体を触った上に、私のことをめかけ呼ばわりしたのよ!? 法の下に、王子という肩書がなければ殺していたわ……! 私を自由にしていいのはアーサーだけなんだから……!」


 かなり殺意がありますね。でもそのブラコン具合はかなり拗れていて厄介ですね。


「というわけで殺してきなさい」

「いやいやいや、ダメだよ! 仮にも王子なんだから!」

「バレなければ、いいのよ」


 いや、それさっきシルヴィー姉さんから聞いたよ! まあだが、ルーシー姉さんにストレスを溜めさせている存在がいるのなら、少しやってもいいかもな。


 あれ? 俺もかなりシスコンみたいじゃないか? いいや、そんなことはない!


「やる時はちゃんとスマホで動画を撮っててね」

「やること前提なんだね……」

「当たり前よ。私だとやっているところに気が付かれるけど、アーサーなら魔道具で可能でしょ?」

「まぁ……」


 めっちゃ可能。何ならここから名前を書いただけで殺せる某ノートを作り出して殺すことだって可能だ。


「うーん……殺すのはできないかな」

「何でよ! あいつは女を自分の快楽を満たすための道具としか見ないクズなのよ!? そんなやつ殺された方が世のためよ!」

「お姉ちゃん落ち着いて」


 感情が高ぶっているお姉ちゃんを落ち着かせる。


 てか、シルヴィー姉さんからあれだけしか聞いていなかったけど普通にヤバい奴というかクズだ。


 これだと本当にアンリ・ペンドラゴンと会った時に殺しかねないな、ルーシー姉さん。それなら妥協させるか。


「安心して、お姉ちゃんが満足できるような結果を出してあげるから」

「……約束よ?」

「約束!」


 こうしてルーシー姉さんを落ち着かせることができた。


「王都に行ったら連絡をちょうだい」

「うん、すぐにかけるよ」

「ずっとスマホを持ってるから」

「あー、うん」


 何だか別の闇を垣間見えたのだが今は無視しておこう!


 シルヴィー姉さんとルーシー姉さんと言葉を交わしたことで、俺はランスロット家の紋章がついた馬車の元へと向かう。


「初めての王都ね、アーサー」

「うん、社交界は少し緊張するけど王都は楽しみだよ!」


 馬車のそばにはグリーテンがおり、グリーテンは今回の付き添いに名乗り上げてくれた。


 さらに俺の専属メイドであるベラとメイド長も同行することになっている。他も騎士団の護衛が乗っている馬車を何台も用意して何人か行くようだが、それでもオーバー戦力だと言わざるを得ない。


 パスカルはお留守番だ。


 まあ俺がいればどこもオーバー戦力か。


「じゃあ行ってくるよ。留守の間は任せた」

「承知しました」


 執事として貫禄しかないが、物柔らかさを兼ね備えた執事の中の執事の白髪のおじいちゃん、ノーランがお父上様の言葉に丁寧なお辞儀をして答えた。


 ノーランもかなりの化け物だが、このランスロット家にはまだまだ化け物はいるから、お父上様とグリーテンさんがいなくなっても全く心配はない。


 お父上様とお母上様、そしてメイド長が一緒の馬車に乗り、俺とベラとグリーテンさんが一緒の馬車に乗る感じになった。


「お姉ちゃん! みんな! 行ってくる!」


 出送ってくれるみんなに元気よく手を振って、初めての王都への旅が始まった。

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