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トランスファー “空間とか異次元とかってそんなに簡単なんですか?”  作者: 鰺屋華袋


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78/102

仕事の準備を怠らないのは・・・大人として当然ですよね? 78

今回少し長いですm(__)m

        第一章   七四話



 グラブフットの肩に手を置いて呟く....


「ムーヴ!」


 次の瞬間には....僕とグラブフットは絶対なる光を纏う者(グランドグリッター)の眼前、15mの所に転移していた。相手からすれば()()()()()()()()筈だが....内心は分からないが()()()には“毛ほどの動揺”も見せない....


「グラブフット、か....まずは息災で何よりだが....貴様ギドルガモンに手を出したらしいな? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「ああ、久しいなフェルディナン。お前たちが()()()()()()()()()()()()....まだまだ()()ちゃいないぜ!」


「ふんっ、減らず口は変わっておらんな....だが今はお前に付き合ってはおれん。“ギドルガモンを討ち取った”というのは本当か?」


 ....グラブフットの返答を聞いて一つ鼻を鳴らした絶対なる光を纏う者(グランドグリッター)は、怒りもせず重ねて問い質してくる。なる程()()()を良く知ってる様だな。


「討ち取ったかって? そりゃあ()()()()()()()()を見れば分かるだろうよ。それに....どうせお前たちのこった、セルディック4世が()()()()()事や、グローブリーズの()()()()()()くらいとっくに知ってるんだろ?」


「....幾つかの()()は聞き及んでいるが....信じられんな? ()()()()超越者級(オーバーローグ)達の中でも()()()いるのは良く知っている。それこそ、()()()から、今なお“成長を続けて”いるならば“ヴィクトール師”を超えているかもしれんな....だが? それでも“三首の神獣(ギドルガモン)”を()()()きれる程とは....どうしても思えん」


「ああ、そうだな。だがな....()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 グラブフットが言い放った一言は彼の視線を自然と()()()に向けた。実際は()がこちらに向いただけで目が見えてる訳でもないのだが....


「もしや....その()()が“()()()”とでも? お前の“世迷い言”は今に始まった事ではないが....今回はまた()()だな?」


「おお!! 珍しく()()が良いじゃないか! ()()()()以外ろくに耳を傾けない()()にしちゃ珍しいな?」


 グラブフットが楽しそうに言い放った言葉を聞きながら、僕自身は心の中で溜め息をつきそうになっていた。グラブフットの軽口癖は良く知ってるが....面倒な事には変わりない。


{ミネルヴァ....彼等に付き合ってたら幾ら時間があっても足りない。()()()に仕込んだ()()と住民達との魔力回路(リンク)の状況は?}


{問題ありません。今回は相手の到着時刻の予想が容易でしたのでかなりスムーズに起動準備が出来ました。()()魔法構文の再構築(リ・プログラム)も完了しております}


{ありがとう、後は僕の()()()()次第だな....}


 訝しげにこちらを眺めていたフェルディナンに向かって、今度はこちらから話しかける。


「一応ご挨拶するのが筋でしょうね....はじめましてクレオール枢機卿。僕は今回のアルバ地方の争乱において()()この地に関わる事になったカナタ・コウサカと申します。以後お見知りおき下されば幸いです」


「ふん! ()()の事は()()から聞き及んでおる。なんでもモノクルをした()()な魔法使いが、そこな()()を“一瞬のうちに作り上げた”とな、だが....そんな石塊(いしくれ)を積み上げた程度で我らを(はば)む事が出来る等と思ってはおるまいな?」


「ほう? ガスパール()はキチンと状況を伝えてくれた様ですね。まぁ、僕もこの城壁を頼りに()()()をする()()()などありませんが....僕がしたいのは双方に利益(メリット)のある()()です」


 うん? 僕の言葉を聞いたフェルディナンが肩を震わせている。言い分が不遜過ぎて怒らせでもしたかな? とも思ったが、さにあらず....


「ククッ、提案だと? ()()()()()()()()()()()()()() 我らがその気になれば()()()()の城壁など何の頼りにもならんぞ! それにな....現在アルバ地方にはろくに戦力がおらん事位分かっている。精々一般人と少々腕がたつ程度の冒険者達が合わせて800前後というところだろう? 貴様やグラブフット程度の魔法使いが()()()居ようが我が神聖騎士団の精鋭2000の相手など務まるか!」

 

「ふう....()()()()()()()()()()()()()()().....僕は今回....()()()()()()つもり等ありませんよ?」


「なんだと?」


「ああー....横から口を挟んで悪りぃがなフェルディナン、つまり()()()はこう言ってるんだよ、“僕が手出しすると()()()()()()2()0()0()0()()()()()()()()()()()()()()”ってな? だがよ? それじゃぁこれからするつもりの提案に“()()()()()()利益(メリット)がない”だろうってな....」


 ああ....言ってしまった。そんな()()の立つ言い方しなくてもいいだろうに....流石に今度は()()()済ませてはくれそうに無い。その証拠に彼の周囲に()()()()()が凄まじい勢いで()()()()()()いる。


「なる程....ではお主はこう言いたい訳だな....“アルバ地方にはグラム神聖国と()()なテーブルに着くだけの()”が有ると?」


 おーおー、怒ってるなぁ....全く、もう少し()をさせてくれないだろうか....だが仕方ないか....今更謝っても許してはくれないだろうし....


「まあ()()その通りですね。ですが....()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「ふん! 是非もない! ()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()を証明したいなら....まずは()を見せよ!」


「全く....なんでこう()()ばっかりなんでしょうね....できれば()()()()だけで事を納めたかったのですが....」


{ミネルヴァ、仕方ない()()するぞ。ヴィルヘルムさんへ()()()()()


了解!(オーバー) 通信を開始します。並行して()()の起動に入ります!}


〔ヴィルヘルムさん! カナタです。聞こえてますか?〕


〔ああ! 聞こえているぞ! ()()()()()


〔ええ始めます! マルグリット様に()()()()()()()()()()()()()()()()


〔....おう、了解した。こちらは()()()


 ヴィルヘルムへの通信を終えると同時に....結界(エンター7)内の領民達から魔力(エネルギー粒子)を収束し、固有魔法(スキル)を発動する。


「エクスチェンジ!」


 同時に....陣を敷く神聖騎士団を円形に取り囲む形で、ありったけの武装をしたグランヴィアの民と冒険者達が二人一組で等間隔に現れる。


 彼等のうちの一人の肩にはドローンオウル(ミニミネルヴァ)が、まるで静かに出番を待っている様にひっそりと留まっている。フェルディナンも突然現れた領民達に最初こそ驚いていたが....


「何かと思えば....その程度の人数で我々を囲ってどうするつもりだ?」


「....彼等はグランヴィアを、ひいてはアルバ地方を守る為に()()を承知で矢面に立ってくれた()()()()です。簡単に倒せる等とは努々(ゆめゆめ)思わない事です」


「ふん! 如何に()()が高かろうと....出来る事には限度が有るだろう!」

 うん、確かにフェルディナンの言う通りだ、()()()()()()()....だが。


{ミネルヴァ!}


了解!(オーバー)(コア)起動魔法構(アプリケーション)文展開(オープン)多重魔力(マルチエネルギー)回路(ルート)並列(パラレル)連結(リンク)完了(コンプリート)形質標本(サンプルキャラクター)確定(コンプリート)仮想行動様式(パターンプロトコル)構築(セット)全設定(プロセスオール)完了(グリーン)!}


「最後にもう一度だけ伺いましょう? 話し合いをするつもりはありませんか?」


「そういうのは()()()()()()()()()()()


「.....致し方ありません。」


{ミネルヴァ


了解!(オーバー) 連動型神獣核(マスターリンクシ)再起動(ステムリブート)


多重(マルチプル)召喚!(サモン!) 紫炎有翼竜(ゲヘナサラマンダー)!!!』


 スキルを行使した瞬間....400匹のドローンオウル(ミニミネルヴァ)全てが...口許に紫炎をくゆらせる....全長7mの火竜(サラマンダー)に変わっていた....

 

 毎度の不定期更新で申し訳ありません。いつも読んで頂いている皆様ありがとうございます。


 新たに見つけて読んで下さった方は、是非今後とも宜しくお願いします。


 最近では、更新の度にじわりじわりとブックマークや評価を頂き、見つける度に小躍りして喜んでおります。


 アジャはなろう基準で、まだまだ底辺の近くをウロウロしている駆け出しですが、期待していただいている皆様に後悔させない様、これからも精進していく所存です。


 今後とも応援よろしくお願い致します。


 批判や誤字・脱字のご指摘も絶賛受付中ですので何卒よろしくお願い致します。

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