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トランスファー “空間とか異次元とかってそんなに簡単なんですか?”  作者: 鰺屋華袋


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77/102

仕事の準備を怠らないのは・・・大人として当然ですよね? 77

お待たせしてスミマセンm(__)m


いやはや....忙しいのと先への繋ぎ方に悩んでおりました(≧Д≦)


相変わらず展開の遅い話ですが....宜しくお願い致します<m(__)m>

      第一章    七三話



 「はっ?」



 目の前のナイスミドルが当惑している....無理もない。いきなり“親戚を名乗る人間”が現れただけでも怪しいのに....こっそり紛争地域に連れて行けというのだ....反応としては当然だ。



「それは如何なる理由で.....もしや....グランヴィアに居るのはそれ程の....」



 ん? なんか察したかな? まぁどっちにしろこんないい加減な頼み方じゃダメよね。



「えーっと....とりあえず自己紹介からね。私はカズミ・クサカ。あなた方の()()(?)って言ったらいいのかな....()()と同じ....()()()です。証拠とか言われたら困るけど....」



 目の前のオジサンが....流石に土下座はしなかったが、改めて片膝をついた姿勢で自然と頭を下げた。



「申し訳ありません。あまりの事態に....少々()()()おった様です。(それがし)はグラム神聖国“12枢家”がひとつ、『クレオール家』筆頭魔法使い “ヴィクトール・エル・クレオール” であります」



 またか....さっきの()()()よりはましだが....こんな調子では話しにくい事この上ない。



「とりあえず顔を上げて下さい。私、これでも“礼儀”にはうるさい家で育ったんですよね、年上の人に何度も頭を下げられたりしたらどうにも落ちつかないんで....」



「は! 失礼致しました。して、先程のお話....確か“内密に”グランヴィアに同行なさりたいと....」



「はい....“突然現れた小娘の言い分”なんて聞ける訳ないってのは、分かってるんですけど....なんか()()()曰わく()()()()()()()を保つ為には“絶対”見過ごせないって....」



 そう言いながら又三郎に視線を向けた。あっ、コイツ欠伸してる!



「(?)なんと....いや、それは恐らく()()の事を言っておられるのでしょうな....」



 暫しの逡巡....そして、



「ふむ....まずは、()()に会って頂くのが先決でしょう。ただ....()が迫っております(ゆえ)時がありません。某が案内致しますので、急ぎご足労願いたく存じます!」



「はい! 無理を言ってすいません。宜しくお願いします....」



 こうして()()(?)私達は()()の子孫達との接触に成功した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 奏多とガスパールの小競り合いがあった翌日、太陽が天頂に差し掛かる少し前の頃、グラブフットと奏多は新たに構築されたグランヴィアの城壁の上にいた。



 眼前には....凡そ700m~1km程先の辺りから、グラム神聖国の兵力凡そ2000が、()のない隊列のまま微速前進して来る様が見て取れる。



「おうおう....まぁ分かっちゃいたがよ....フェルディナンの野郎らしい隙のねぇ布陣だぜ」



「グラブフットさん....やはりあの隊を率いているのは?」 



「ああ....昨日城壁外に現れたのは、()()()()()()()()()()()()の使い魔で間違いない。なら....そいつらを率いて居るのは“絶対なる光を纏う者(グランドグリッター)”フェルディナン・ド・クレオールで間違いねぇよ」



「そうですか....ならば()()()()()彼の固有魔法(スキル)も?」



「ああ、既に効力を発揮していると見て間違い無かろうよ」



「なる程....厄介極まりないですね....」



 昨日グラブフットに聞いたフェルディナンの固有魔法(スキル)絶対なる光の恩寵(グランドグリット)』は()を率いる物にとっては理想的、相手にとっては悪夢の様な物だった。



「総勢2000....まあ全て戦闘員でも無いでしょうからいいとこ1500~1600程度でしょうが....戦闘員の全員が()()()()()()()()()()()3()()()とか....どんな反則ですか....」



「仕方無かろうよ....その代わりヤツ自身は全く魔法が使えんのだから....いやそれも語弊があるな....()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 そう、敵の総大将であるフェルディナンの固有魔法(スキル)絶対なる光の恩寵(グランドグリット)”は、自らの集めた魔力(エネルギー粒子)を特殊な魔法構文(プログラム)で変換して“自軍の兵士達の()()()()()()()”する代わりに“身体能力の一部を()()()()()”事が出来る能力らしい。



 勿論どちらも()()()では無いらしいが、今回の規模だと強化具合は3割増といったところで、自らの身体能力値については....



「ヤツの全力? 見た事ねぇな....」



 という始末だ....



 そんな話をしているうちにも敵は前進を続け、既に先頭は500m付近に迫りつつある。その時、ゆっくりと進んでいた先頭から一騎、()()()()()()()()()()()()



「おいでなすったぞ! ヤツが“絶対なる光を纏う者(グランドグリッター)”フェルディナン・ド・クレオール枢機卿だ」



 指し示された彼を見た時....魔力(エネルギー粒子)にフォーカスしてあったモノクルのAR表示(拡張現実表示)を見て....



「グラブフットさん....()()は本当に()()なのですか?」



「.....ああ、()()()()()?」



 この光景が正しいなら....彼の体内には魔力(エネルギー粒子)()()()()()。だが....彼の()()には猛烈な魔力(エネルギー粒子)が渦巻き、彼の纏う鎧に一度吸い込まれると....()()()()()()魔力(エネルギー粒子)が波紋の様に周囲に拡散していく....



{ミネルヴァ....僕には魔力(エネルギー粒子)が彼の()に吸い込まれてる様に見えるんだが....}



{恐らくですが....鎧を触媒として()()()()()()()()()()()()し“魔力甲冑(エネルギーアーマー)”を形成していると思われます!}



魔力甲冑(エネルギーアーマー)?}



{詳細は私にも解析不可能ですが....彼と周囲の人間との間に特殊なリンク(魔力回路)を確認しました。兵士とのリンクを介し“魔力甲冑(エネルギーアーマー)”を身体能力サポートに使用していると推測されます!}



 .....もはや何でもありだな....おっと!フェルディナンが自らの陣を離れ、城壁から150m程の所に到達する。と、同時に陣形の前進もピタリと止まる。



 やおら、巨馬から大地に下り立った白銀に輝く騎士は....突如として大声を轟かせて宣言を始めた。



「聞け! グランヴィアの民よ! 生きる事....その様はただ辛苦に満たされ、その道は艱難(かんなん)に溢れているかと見紛うばかりだ。だが! 神はその全てを見、聞き、感じ、想っておられる!! グラ....」



 うん?? なんだコイツ?! 事ここに及んで()()()()を始めたのか? 不振に思ってグラブフットに視線を投げると....グラブフットも苦笑しながら説明する。



()()()はなぁ....決して()()()()って訳じゃぁ無いんだが....どうにも〔神〕の事になると融通が効かんというか....多分だが今回の事も相当に()()()()()可能性を否定できん」



 うーん....これは、()()()()に苦労しそうだ。



「さあ!! グランヴィアの民よ、今こそ、そなた達を惑わせる蒙昧な言葉をはねのけて神の御許(みもと)に帰順するのだ!」 



 うーん....もう少し言わせておいてもいいのだが....()()()()()()()()()()()()そろそろ頃合いか.....




「グラブフットさん、そろそろ行きましょうか....」




 毎度の不定期更新で申し訳ありません。いつも読んで頂いている皆様ありがとうございます。


 新たに見つけて読んで下さった方は、是非今後とも宜しくお願いします。


 最近では、更新の度にじわりじわりとブックマークや評価を頂き、見つける度に小躍りして喜んでおります。


 アジャはなろう基準で、まだまだ底辺の近くをウロウロしている駆け出しですが、期待していただいている皆様に後悔させない様、これからも精進していく所存です。


 今後とも応援よろしくお願い致します。


 批判や誤字・脱字のご指摘も絶賛受付中ですので何卒よろしくお願い致します。

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