クリスマスSS:チキン温め会場
お久しぶりです!
本編は年明けから再開予定になります!
体調崩したりしててお待たせしちゃってごめんなさい⋯⋯
チキン冷えちゃった⋯⋯そんな言葉がある。
かつてとある有名女性VTuberがクリスマスに配信をすると言いながら、ドタキャンしてしまい、チキンを用意してウキウキしながら配信を待っていたリスナー達が放った一言。この言葉は10年以上経った今でも語り継がれるくらいには有名で、ネットミームと化していた。
⋯⋯今年もまた、そんな悲しい事件が起きていた。
「チキン冷えちゃった⋯⋯?」
僕がクリスマス配信前にピヨッターを眺めていると、そんな言葉がトレンドに入っていた。
「懐かしい⋯⋯」
僕でもわかるくらいのこの言葉は、大体10年くらい前に起きた事件がきっかけにネットミームになったんだよね。
「チキン⋯⋯冷え⋯⋯あっ!」
良い事を思い付いた!
「チキンを作ろう!」
そうなったら⋯⋯あっ、でも一人で食べるのには量が多いよね?だったら⋯⋯
「薫さん、今日って暇⋯⋯かな?」
いきなり、クリスマスの日に誘うのは⋯⋯迷惑かな?
「ダメ元だよね⋯⋯!」
僕は急には無理だと思いながらも、薫さんに連絡を入れることにした。
♢
急に優希くんから連絡が来た時はびっくりしたけど、まさかクリスマス当日にお呼ばれするなんて思ってもみなかった。多分、他にも誰か誘ってるとは思うけど、でももし、私だけだったら⋯⋯そんな事を考えるのは誰にだってあるはず。
「ふぅ、何回も来てるとはいえ、流石に緊張する」
優希くんの家の前に着いた私は深呼吸をして家のベルを鳴らす。
『はーい!今開けますね!』
インターホンから優希くんの声が聞こえると、すぐに部屋のドアが開けられる。
「薫さん、今日は来てくれてありがとうございます!」
「ううん、暇だったから大丈夫だよ」
「寒いと思うので中に入っちゃってください!」
「ありがとう。おじゃまします」
中から出てきた優希くんに挨拶をすると、私は中へ入る。見た感じ他の靴は見えない。もしかして⋯⋯本当に私一人?
そう考えたら途端に意識してしまう。
「それじゃあ、パパッと準備しちゃうので待っててくださいね!」
そんな私の気持ちは知らず、優希くんは配信用の衣装に着替えるために、自分の部屋へ行ってしまった。
「⋯⋯ふぅ」
優希くんがいなくなったことで少し落ち着いてきた。
「(一緒に配信に入るわけにもいかないけど、何もせずに見てるだけっていうのも少し、寂しい気もする)」
「(って、優希くんとクリスマスに一緒に配信なんてしたらリスナーの人達に勘違いされちゃうよね!)」
そんなことを考えながら優希くんを待っていると、着替えが終わった優希くんが戻ってきた。
「お待たせしました!」
「あっ、優希くんおかえりなさい。
今日も凄く似合ってるよ」
「えへへ、ありがとうございます」
白とブラウンをベースにした服で、ウィッグと合わさってとても可愛らしい。白っぽい髪色によく似合っていて、反応含めて可愛すぎて思わず抱きしめたくなる。
「⋯⋯あれ?優希くん、ちょっと動かないでね」
「どうかしましたか?」
少しだけウィッグがずれていたから、直してあげる。でも、その時にかなり密着してしまう。
その近さに思わずドキドキしてしまう。
「⋯⋯よし!」
「あ、ありがとうございます⋯⋯」
優希くんも恥ずかしいのか顔が真っ赤になっている。可愛い、可愛すぎる⋯⋯
「じゃ、じゃあ僕は配信始めちゃいますね!」
「あっ、私に何か手伝えることはあるかな?」
「えっと⋯⋯一応大丈夫ですけど⋯⋯
それなら一緒に配信やっちゃいますか?⋯⋯なんて」
優希くんの口から予想外の言葉が出てきた。
「⋯⋯良いの?本気にしちゃうよ?」
リスナーに勘違いされたって構わない。
優希くんに一番近いのが私だってアピール出来るなら。
それに、優希くんが大好きなのは本当のことだし、それを優希くんだって知っている。
「⋯⋯はい」
恥ずかしそうな表情で肯定する優希くん。
じゃあもう、遠慮はいらないよね。
♢
『リス兄、リス姉こんばんは!白姫ゆかだよ♪』
「え、えっと、柿崎ゆるです⋯⋯で良いのかな?」
:!?!!!?
:ゆかゆる配信!?!?!?
:ひゃっはあああああ!?!?!?!?
:発狂してるやつもいて草
『今日はクリスマスってことで冷めちゃったチキンを美味しく食べられるような配信にしたいなって事でクリスマスチキンを作っていこうと思うよ!』
「私はお手伝いに来た感じだね」
『流石にふわりお姉ちゃんとかは今日は企画配信があるだろうからお願い出来そうなのがゆるお姉ちゃんだけだったの』
「ふふっ、でも私はゆかちゃんにお呼ばれして嬉しかったよ」
『そ、そう?それなら良かった!』
:てぇてぇ
:やっぱゆるゆかなんよ
浮雲ふわり:あの、なんで
:来たわね
浮雲ふわり:わ、私も行きたいです⋯⋯
:キミはもうすぐライブあるでしょ?
浮雲ふわり:もうやだああああああああおやすみしますうううううううう!!!!
:草
浮雲ふわり:私の心の中のチキンが冷めちゃいました⋯⋯
:なんだよそれwww
『あっ、ふわりお姉ちゃん来てくれてありがと!
この後クリスマスライブだったよね?ボクも配信が終わったらアーカイブで見させてもらうから頑張ってね!』
浮雲ふわり:がんばります!!!!!
:草
:ゆかちゃんの応援はまだ(ry
:ゆかちゃんのエールもらったらそうもなる
『ということで今日はチキンの温め方とフライドチキンの作り方を紹介しようと思うよ!』
:わーい
:ゆかちゃんのチキン食べたい!!!
「まずはこれだったよね?」
:タレ付きのチキンレッグか
:もう出来上がってね??
『うん!まずはこれの美味しい温め方から紹介するよ!これの次にSFCみたいなフライドチキンも美味しく温める方法を教えるから、みんなも一緒にチキン食べようね!』
:やさしい
:温めるとか考えてなかったわ
:適当にレンチンする気だったわ
『ゆるお姉ちゃんと一緒に食べるために一応2本買って来たんだけど、今回は小さめのやつ!』
『これをジップロックに入れてちゃんと封をしたら、沸騰しないくらいに温めたお湯の中に入れて湯煎するよ!』
:レンチンしないの!?
:確かに温めすぎると硬くなるって言うもんね
:その発想はなかったわ
『ちなみに、レンジしかない人はラップをかけて低めのワット数でゆっくり加熱をするといいよ!』
:代案助かる
:ラップならあるかも
:【朗報】風呂でスマホ使いたいわい、ジップロック常備している
:ジップロック常備してて助かったー
「ジップロックって溶けたりはしないのかな?」
『ここが大事なんだけど、火にかけながらはダメなの!もし持ってるならアイラップをお勧めするよ!それでも水が少なかったりすると危ないから気をつけてね!』
:あっ、溶けるには溶けるんだ
:あぶねー強火でやろうかと考えてたわ
『というわけで、ここで裏技だよ!』
「裏技?」
『さっき言ったのは、鍋肌にジップロックが触れると溶ける可能性があるからなんだけど、このパスタ用のお鍋を使えば直接触れる場所が中のザル部分になるからそこまで熱々にならないんだよ!
もしない人は弱火にしたり、直接触れる場所が出来ないようにお水たっぷり入れたりすると良いよ!』
「なるほど⋯⋯」
:助かる
:真面目にタメになるの草
『それじゃあ、次は骨付きのフライドチキンだけど、これは大体の販売店でおすすめの温め方が書いてあるからそれを面倒でも守ろうね!そうすれば大体問題なく美味しく食べられるよ!
でもボクは冷たくなってたら少しだけレンジで温めてからトースターで焼くのが結構好きなんだよね!
皮の食感が結構戻るからおすすめだよ!でも焦げないようにしっかり見ながら温めてね!』
:やっぱレシピ守るのが最強か
:そうだよなー
:揚げ物に関してはそうなるよね
:レンチンからトースターは俺もよくやるなー
『じゃあ温め方も教えたから、今回のメイン!SFCフライドチキンを再現したレシピで自作フライドチキンを作っていくよ!』
『実は粉に関してはちょっと前に興味本位で作ったのが残ってるからそのまま使っちゃうね!レシピの方は概要欄に書いておいたから参考にしてみてね!』
「凄く用意が良いね!?」
『時間をかけすぎてもみんなと一緒に食べれないかもしれないでしょ?だから美味しく一緒に食べるためにこうしたんだ!』
「ふふっ、ゆかちゃんは優しいね」
『ふぇっ!?きゅ、急に撫でないでよぉ⋯⋯びっくりしちゃった』
「あっ、ご、ごめんね⋯⋯つい」
:2828
:にっこり
:これでご飯が食べられるぜ
浮雲ふわり:そこかわってくださ、あやば時間が
:ふわちゃんいいやつだったよ
『き、気を取り直して塩糖水に漬け込んだお肉の水気をしっかり切ったらこの粉をしっかりつけて揚げていくよ!』
「わぁ、凄く美味しそうな音⋯⋯」
:この揚げる音マジで好き
:揚げ物ASMR⋯⋯
『⋯⋯よし、こんな感じかな?
これの油をしっかり切ったら完成だね!
みんなもそろそろチキンは温まったかな?』
:できたぁ!!!
:美味しそう!!
:こっちも準備できた!
:ゆかちゃんと一緒にチキン食べるクリスマスとか贅沢すぎる
『それじゃあみんなで一緒に食べよっか!』
「それじゃあ⋯⋯」
『「いただきます」』
:いただきまーす
:いただきまああああす!
:ウメ⋯⋯ウメ⋯⋯
:うおおおおおおおチキンねえええええ!!!
「んっ、美味しい!思ってた以上にSFCだねこれ」
『でしょー!ボクも作った時凄く美味しくて、余ってるスパイスで作れる分粉作って冷凍しちゃったんだよね!お弁当とかに少し入れても良いから結構重宝してるんだ!』
『こっちのチキンレッグもおいしいよ!』
「だね⋯⋯ゆかちゃんと一緒だからか余計に美味しく感じる気がする」
『⋯⋯ぼ、ボクも』
:
:
:
:
:
「あっ」
『ゆるお姉ちゃん!?
ってみんなまで死んでる!?!?!?』
結果的にみんな尊さに当てられて、中途半端にチキンが冷めてしまったのはここだけの話。
ちなみに、今年の冬コミでなのちゃんの暴走SS2本を本にした暴走なのちゃんオンリー本を頒布します!
29日、日-東ヒ26aになりますのでもしもコミケ行かれる方はぜひ!




