183:水着⋯⋯?
お待たせしました!
コラボ衣装の試着をこなしていった僕に待ち受けていた最後の衣装、それは未だにVtuberの衣装としても発表した事もない水着だった。
流石に考えて作られているのかビキニタイプではあるけれど、スカートの部分はドレスのようなスカートになっている。
色は黒で、スカートのフリフリは白も混じっていて普通に可愛い⋯⋯
「だけどこれ、着ないと⋯⋯ダメなのかな?」
流石に女装に最近少し慣れてきたとは言え流石に水着は恥ずかしすぎるよ。
「でも僕に似合うと思って作ってくれた衣装、なんだよね⋯⋯」
でも、水着。
男なのに女の子の水着を着るなんて違和感が凄いなんてものじゃ無い。
「どうしよう⋯⋯」
頭の中でどうするべきか思考し続ける。
「⋯⋯うん、着てみよう。
それで自分の姿を見てダメなら見せに行かなければいいんだもんね」
流石に似合うとも思えないし、そうする事にした。
「うぅ、違和感が凄いし、お腹がちょっと寒い⋯⋯」
意を決して着てみたのはいいけど、脚とお腹が少し寒い。
「な、何か羽織るものないか聞いてみないと⋯⋯」
そして僕は外にいるスタッフさんに声をかける事にした。
「あ、あの、すいません。
何か羽織るものって無いですか?
ちょっと寒くて⋯⋯」
「羽織るものですね、ちょっと待っててくださいねー」
僕はドアから顔だけを出してスタッフさんにそうお願いした。
するとすぐに一枚の服を持ってスタッフさんが戻って来た。
「これならどうかな?」
「大丈夫⋯⋯だと思います」
その服は白のカーディガンで、上から羽織るだけでそれなりに寒さをカバーしてくれた。
「ありがとうございます!」
「それにしても上から羽織る物がいるくらい薄手の物なんてあったっけ⋯⋯?」
「えっと、み、水着が⋯⋯」
「えっ!?」
「知らなかったんですか!?」
「違うの、まさか着てくれるとは思わなくて⋯⋯見せてもらってもいい?」
「は、はい⋯⋯」
そして僕が部屋を出ると——
「ッ! やばっ、意識持っていかれる所だった⋯⋯」
「そ、そんなに似合いませんかね⋯⋯?」
僕は不安になりそう聞いてみた。
「違うの! 似合いすぎてるの!」
「えっ、それはそれで複雑な気分に⋯⋯」
「とりあえず、すっごく似合ってるから自信持って!」
「あ、ありがとうございます⋯⋯」
「と言うわけで、皆のいる部屋に行こっか」
「は、はい⋯⋯」
そして僕は連れられるがままに、薫さん達の待っている部屋へと移動した。
「お、お待たせ⋯⋯しました⋯⋯」
僕がそう言いながら部屋に入った。
「あっ、優希くんおかえ⋯⋯」
「優希くんおか⋯⋯」
「あらあら」
「「くぁぉぁぁぁぁぁっぁぁぁ!?」」
二人が同時に叫んだと思ったら——
「わたし、いきてて、よかっ」
「もうまぢ、むり、かわぃぃ⋯⋯」
「「がくっ」」
「薫さん!? 先輩!?」
「遥ちゃん!? それに薫ちゃんまで!?」
二人が倒れたと思うと、いきなりむくりと起き上がった。
「「水着優希くん、テイクアウトで」」
「何言ってるんですか!?」
「二人とも、落ち着いて頂戴!?」
「「これが落ち着けますか!?」」
「だって!」
「こんなにも!」
「「可愛いんですよ!?!?」」
「そ、そうね⋯⋯」
「ありがとう、でいいのかな?」
褒められてるのは分かるんだけど⋯⋯二人とも妙に息が合ってるような⋯⋯
「とりあえず落ち着いたかしら?」
「は、はい⋯⋯」
「なんとか⋯⋯」
「とりあえず、優希ちゃんの水着を見て思った事はあるかしら?」
「可愛い!」
「とても⋯⋯んっ!
とても可愛いです!」
「アナタたちねぇ⋯⋯」
「まぁ冗談はここまでにしておいてですね、私としてはもう少しスカート部分にヒラヒラを追加してもいいかなと思いますね」
「わたしもいいですか?」
「勿論よぉ」
「カーディガンですけど、これもうちょっとぶかぶかにしたらいいと思います」
「ふむふむ、なるほどねぇ」
橋本さんはなるほど、と首を振りながら二人の意見を聞いていた。
「それ以前に何で水着を用意したんですか⋯⋯?」
「Vtuberで水着イラストって良くあると思うんだけど、変だったかな?」
薫さんが不思議そうな顔をしてそう言った。
「Vtuberの方は分かりますよ!?
でも僕が着る必要ってあったんですかね!?」
「可愛いからヨシ!」
「そう言う問題じゃないですよぉ⋯⋯
すっごく恥ずかしいんですからね!
すーすーしますし⋯⋯」
「その反応だけでご飯食べれる⋯⋯」
「ゆるママさん、奇遇ですね⋯⋯」
僕に聞こえない声で二人は何かを話したと思ったら、急に握手を始めた。
「一応、コラボ衣装だからね。 優希くんが着てアピールする必要があるからね!
仕方ないよね!」
「うんうん、そうですよ!
ゆるママさんの言う通りです!
優希くんがこれ着てアピールすれば皆喜ぶよ!」
「これを着て⋯⋯!?
いやいやいや流石に無理ですよ!
他の人にこんな姿見られるなんて!」
「似合ってるのになぁ⋯⋯勿体無い⋯⋯」
「似合って⋯⋯る?」
「私も同感だよ、本当に似合ってる。
まるで本当の女の子みたいだよ?」
「だ、だから僕は男ですっ!
恥ずかしいのでもう着替えてきますっ!」
「あっ⋯⋯」
「もっと見たかった⋯⋯」
僕はそんな声を無視して着替えに戻った。
そろそろ底辺Vtuberも進めていきたいですね⋯⋯
えっ?
ゆるママと先輩の暴走ルート?




