盗賊団のアジト
意外にもミストレインの近くに盗賊団のアジトはあった。
私が逃げた森の中にある洞穴にカイナさん達のアジトがあるらしい。
「アジトって言ったけど、ここのは小さなアジトだ、本拠地はもっとおおきいんだぜ」
ニシシと自慢げに笑っているが、私にアジトの場所を教えても良いのだろうか?。
「...ここも充分におっきいけどさぁ、私なんかにアジトの場所を教えてもよかったの?」
そう聞くと彼女はカチンと固まっていた。
「はぁ? もう私とサラはダチだろう?」
「ダチ?」
聞き慣れない単語が出てきたので一瞬戸惑う。
「ダチってのは友達の事だよ! 言わせんな恥ずかしい!」
顔を真っ赤にしながらそう言うカイナお姉さんは少し可愛かった。
「今のカイナお姉さん可愛いかも」
私がそう呟くとカインお姉さんはギュン! と私に近づいてきた。
「そうだろう! そうだろう! 今年で25を迎える私だがまだまだお姉さんで通じるよな!? サラはやっぱり良い子だ!」
急に上機嫌になってナデナデしてくるのに戸惑う私。
「えっ? 何?」
25と言えばお姉さんと呼ばれるギリギリの年齢だと言う事にこの時の私は気づいていない。
後にして思えばこの時の彼女はお姉さんと呼ばれたことが嬉しくて私の頭を撫でたのだと思う。
彼女がそうしていると次々に盗賊団のメンツが顔を出してきた。
「姉さん、その子は?」
「この子はサラ、今日からしばらく私らの仲間になる子」
「...はい?」
私はそれを聞いて少しの間硬直してしまうのでした。




