ガーディンの邸宅④
私達は体を吹き終わるとバスタオルを巻いて部屋に出てきました。
「良いお湯だったね~」
とサラが呟いた瞬間に私はとある違和感に気がつきます。
「あれっ...? 私達の旅道具は?」
「えっ? 私の杖もないよ!?」
旅用の道具と装備品が全てこの部屋からなくなっていました。
多分ですがメイドであるレイナが旅の道具の手入れをしてくれているのだと思います。
あの人から感じられる熟練者の香りは簡単に消せるものではありませんからね。
しかし...これでは...。
「...まいったなこの格好じゃ外に出られない」
私もサラもバスタオルの状態なので外を出歩く事ができません。
仕方ない、このままレイナが来るまで待っていようかと思っていると...。
「あっ! お姉ちゃんこんなのが用意されているよ!!」
と言いながら高級そうな白いバスローブを手にしていました。
「うわっ...凄く高そう...」
見た感じでもうそんな気がするし、触ってみると凄く柔らかいので恐らく高級品であるだろう事は分かる。
「ふわふわ~...」
とか言いながら何度も肌にそれを擦らせて柔らかさを楽しんでいる様子だ。
「まあ...後で装備品は返してくれるだろうし、いっか」
私もバスローブを羽織りました。
「姉ちゃん似合う~!!」
「サラも似合ってるよ」
お互いに互いの姿を見て笑い合います。
正直言ってこう言う高級そうな格好は私にはあんまり似合っていないと思いますが、サラがそう言うのであればそういうことにしておいた方がいいでしょう。
そうこうしていると扉の奥からレイナの声が聞こえてきました。
「皆さん夕食の準備ができましたので食堂にお集まりください」
私はその声に反応するように部屋の外に出るのでした。




