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出立

 〜後日〜


 太陽が真上に立つ丁度昼くらいの時間帯に私達は町を出ようとしていた。


「...そろそろ行こうか」


「うん...」


 馬車の準備ができたと報告を受けた私達はすぐさまこの町を後にしようと門の方へ向かう...。


 すると何だか門の方が騒がしい事に気がつく。


(何だろう...?)


 少しずつ門の方に近づいて行くとなぜそんなに騒がしいのか理解した。


「よう、ようやく来たかケロナ」


 ニヤリと笑うのは騎士団長であるグレイブだ。


「どうしてここに?」


 私の言葉に彼は答える。


「どうしてって...、町を救ってくれた英雄の出発日を祝福するのは騎士として当然だろう?」


 私はその言葉を聞いてふっと静かに笑う。


「まさか、その為だけにこれだけの()()()()()()()()()


 私の眼前には100人ほどの騎士達が互いを見つめ合うかのように立っておりグレイブの一声で剣を抜く。


「抜刀!!」


 ガチャ!。


 騎士らしく整った構えを取り、互いに剣を掲げて私たちの為に門を作ったのだ。


「わぁ...!」


 サラもこの祝福振りに目を輝かせている。


「さぁここを潜って行きな、俺なりの祝福だ」


 彼は笑いながらそう呟く。


「さぁ! お前ら!! この町を救った英雄様のお通りだ!! 幸先のいい言葉でもかけてやれ!」


 彼の言葉と共に次々と言葉が飛び交う。


「ケロナ様ご武運を...」


「蒼き英雄に光あれ!!」


「グレイブ団長を助けてくださりありがとうございます!!」


 最後の騎士の言葉でここにいる騎士の全員が彼の部下なのだと思った。


「全く...いい上司に巡り会えたわね...、貴方達は...」


 私は騎士達にそう言葉を呟くと、そのまま門の外で待っている馬車の方へと足を進めるのでした。

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