災難?
私は今【城塞都市クレイトン】にあるクレイトン城に招き入れられていた。
と言うのもグレイブがクレイトン王に私の事を話してしまい、王が私に会いたいと発言されたそうだ。
謁見の間にてクレイトン王と顔を合わせる私達。
言っておくけど私達に貴族並みの礼儀作法は期待しないで欲しい。
私達はあくまでも村娘として王と顔を合わせてるだけなのだ。
「その方らが此度の騒動を鎮圧させたと言う村娘で間違いないか?」
クレイトン王は私達の方に顔を向ける。
「陛下、青髪の方が村娘ケロナ、黒髪の方が魔術師サラでございます」
騎士団長のグレイブが王の横で私達の名前を伝える。
「ふむ...ケロナにサラか...、此度の騒動を鎮めていただきありがたく思う、しかし...」
王は不服そうに顔をしかめていた。
「いかんせんただの少女にしか見えないのだが...、本当に此奴らがあのモンスターの大群を追い払ったと言うのか?」
...。
その一言で謁見の間の空気が悪くなる。
そりゃそうだ、レベル1の村娘が騎士団長よりも戦果をあげたのだと誰が信じることができよう。
王の表情を見て気分を悪くする私だったが、その反応が当然なのだと思うとそこまで腹も立たない。
筈だったのに...。
「お言葉ですが陛下、この2人...特に青髪のケロナという少女の実力は目を見張るものがあります、それこそ我ら騎士団に入団させ隊長格の職につかせても良いかと...」
騎士団長の言葉に「グレイブにそこまで言わせるとは...」的な言葉を言いたそうな王様がパチンと指を鳴らした。
「なるほど...、グレイブの主張はわかった、ではワシにもケロナとやらの実力を見せてくれんか」
王様のその言葉のせいで面倒くさい事になったのは言うまでもない。




