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【砂鉄水流砲】

 私の中に握られている球体はどんどん膨れ上がり、やがて手で握るのに丁度いい大きさとなる。


 その大きさになった瞬間にそれを水の力で押し出し奴の顔面に一撃を入れる!!。


「ぬぅ!? その程度の緩い攻撃など効かぬわ!!」


 最初こそ反応が薄かった彼だが、後にこの技の恐ろしさを思い知る事になった。


 静かに私は呪文を呟やく。


「【爆散せよ】」


 その言葉と同時に水の塊が爆散し、中に入っていた無数の黒い物体が奴の体に次々と突き刺さる!!。


「ぐぁぁぁ!!!」


 今までのどの攻撃よりも悲鳴をあげるザランを見てニヤリと笑う私。


 力が緩んだのかサラとグレイブの悲鳴が少しだけマシになっていた。


(今なら2人を助けられる...!)


 すぐさま体を動かし、その手に黒い水で形取られた剣を出現させる!!。


 私は黒い刃を振るい、奴のもう一つの腕を切り落とした。


 ズズン...! と鈍い音と埃を立てながら奴の腕は地に落ちる...。


 よろめく彼の姿を見て私は再び笑みを浮かべていた。


「攻守逆転ね...、今からは私が貴方を狩る側...!」


 両腕を失ってもすぐさま修復させようとスケルトンの集団を呼び寄せるザランだったが...。


「そんな雑魚に何ができるの?」


 私がただ指を振るだけで雑魚どもは黒い水に切り刻まれて骨粉と化す。


「ぐっ...、馬鹿な!! このスケルトンは1匹1匹がそこの騎士団長レベルなのだぞ!? それをこうもあっさり退けるとは...、貴様は何者なのだ!?」


 最初は冷静さを保っていた彼も、今ではすっかり感情を露わにして私の正体を探ろうとしている。


 しかし、私にだって自分の正体など分かっていないのだから他人に解明できる筈がないのだ。


「さあね...、ちょっと強いレベル1の村娘って事だけは教えておいてあげる」


「レベル...たったの1...だと?」


 驚愕している彼の顔面にもう一度【砂鉄水流砲】をぶち込み最後の言葉を言い放った。


「【爆散せよ】...」


 と。

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