骸骨剣士ザラン⑧
「なんだ...?」
明らかに不可解そうな目線を私に合わせてくるザラン。
それもそのはず...。
今の私は少しだけ私ではないのだから...!。
「姉ちゃん...? 髪が...一部だけ黒くなってる...よ?」
サラからの言葉により私の外見にも影響が出ているのだと実感していた。
しかし...、何者かが私の体を侵食してくる感覚が止まらない。
凄く気持ち悪くて吐き気を催す程の何かが体の内側で這いまわっている様な...そんな感覚...。
(気持ち悪い...)
そう思わずにはいられないのだが、今は気をしっかりと保ち目の前の巨悪に視線を向けた。
「お前は...誰だ?」
その問いに私は答えられない。
「さあ...?」
「答えよ!! 貴様は何者だ!!」
声を張り上げながら巨大な手を私に向けて放ってくるのだが、不思議と怖さを感じなかった。
私が人差し指をピッと動かすと黒い水が地面から吹き出して奴の腕から先を綺麗に両断してしまった。
「ぬおっ!?」
驚く彼の顔面に一瞬で近づき私は片手を奴の顔面に向けた。
「【砂鉄水流砲】」
そう呟いた私の手のひらの中にはビー玉くらいの大きさの黒い鉄の塊の様な球体が握られているのでした。




