骸骨剣士ザラン⑤
ザランの体が真っ黒に染まりどんどん膨れ上がって行く...!。
「何あれ...!」
サラの震える声が私の方にまで聞こえてくる。
徐々に肥大化して行くその体は、いつしか小さな砦程の大きさとなっていた。
「ば...化け物...! 骨の化け物!!」
騎士団長であるグレイブですらビビってしまうほどの存在感に奴は自身のレベルを添える。
「どうだ? 恐ろしいか? 人の子らよ...、お前達の言う戦闘レベルで俺を測るのであれば、200と言った所か...」
戦闘レベル200と言う途方もない大きさ!!。
(マーカイルでも125だったのに...)
一瞬戦意が揺らいでしまうが、ここで負ける訳にはいかない!!。
気を強く持ち、もう一度【ケロッとすぱいらる⭐︎】を放ったのだが...。
「先ほどは驚異に見えたこの魔法も、この姿になればどうと言う事はないな」
そう呟いた彼は本当に片手で私の魔法を弾いてしまった。
「えっ...?」
それはもう赤子の手を捻るかのようにあっさりと...。
「嘘だろ? さっきの魔法は明らかにレベルの高い魔法だった!! レベル80の俺が言うんだ! 間違いない!」
グレイブの声が私に聞こえてくるのだが、放心した状態からなかなか戻って来られない私。
「おやおや? 戦う意思がなくなってしまったのか? だから嫌なんだ...、この姿になるのは...」
奴はまるでつまらないとでも言う様に私に手を伸ばしてくる。
(動け...私の体...!)
そう自分に言い聞かせてもなかなか動けない。
奴の大きな手が私を握り潰そうと大きく開いた次の瞬間!!。
バンっ!! と大きな火球がザランの手を焼き払う!!。
「ぐっ!? まだ抗うか小娘風情が!!」
「サラ!?」
私が彼女の方を向くと涙に顔を濡らしながらこう答えた。
「嫌だ...、姉ちゃんを失うくらいなら私は限界まで戦う!!」
彼女は泣きながら魔法を何発も放つ!!。
「火球!! 火球!! 火球!!」
殆どダメージを与えていないと言うのに、ザランの奴は諦めないサラの行動に敬意を示していた。
「...幼児と侮って悪かった、貴様も戦士の様だな、よって褒美に死を与えてやろう」
私の言葉が届く前に大きな手がサラの方に迫る!!。
「まずい!!」
グレイブが走ってサラの所まで向かう!!。
間一髪!! サラの手を取った瞬間に2人とも巨大な手に捕まってしまった!!。
「このまま絞め殺してやろう」
そう呟いたザランは2人を絞め殺し始めるのでした。




