1人(?)
「この声...アズムか?」
私の問いに【次元龍】の一柱であるアズムが答える。
『そうだよ、今は大人しく君の中に入っているけれど、それももう一柱が見つかるまでの間さ」
得意げにそう呟く彼に私は聞いてみました。
「もう一つの【次元龍】を見つけたらどうなる?」
『そりゃぁね...、今は君が僕たちの【依代】何だから君の体を貰っちゃおうかなぁ...と思っているよ』
「...、悪いけど私の体はお前達の物じゃない」
『ハハッ! ならばせいぜい頑張ることだね、ピンク髪のあの子も黒龍の娘もいない状態の君が1人で僕達に勝てるとは思えないけどね』
「アリカもリュアもいない世界か...、確かにそれだと【次元龍】を滅ぼす事は難しそうだね」
『そうだろう? でも不可能でもない』
「それってどう言う意味?」
私が彼にその問いの答えについて尋ねてみると、彼は笑いながらこう答えました。
『今ここで君が自分の首を掻っ切れば良い、そうすれば【次元龍】が揃う事は永久にになくなるからね』
私は高らかに笑う彼にすました声を浴びせかけます。
「...そんな事をしてもあなた達なら【依代】である私の体から這い出して新たな【依代】を見つけるだけでしょ? その手には乗らないから残念だったね」
『んっ? もしかして知ってた?』
「いいや知らなかったわよ? 答えてくれてありがとう、お馬鹿さん」
そこまで私が呟くと彼は『あっ』と声を漏らしたので私は笑ってやるのでした。




