骸骨剣士ザラン④
「うるさい蝿が...」
「ぐっ...!」
せっかくクレイトンの騎士団長が出張ってくれていると言うのにあまり長くは持ちそうにない。
グレイブとザランの実力差は圧倒であり、不意を突いてようやくまともに攻撃に転じる事ができる程度だ。
「危ない!!」
サラが時々敬遠のために魔法を放っているのだが、やはり大したダメージにはなっていない。
状況は徐々に悪くなっていっているものの、私の心は落ち着いていた。
(大丈夫...、落ち着いて対処すればきっとなんとかなる...!)
大きく息を吸って吐いた。
「そら...どうした? この国の騎士団長なのだろう? この程度ならばそちらの村娘の方がよほど手応えがあった!」
何発も剣撃を入れられているグレイブは今にも潰されてしまいそうだ!。
受け身に回っていてはいずれ敗れ去ってしまうだろうに、反撃の糸口を見つけられないのだと思う。
しかし、それだけ時間稼ぎを頑張ってくれれば充分だ。
「ありがとう、充分な魔力は溜まった...」
精神を集中させた一撃が今放たれる!!。
ぱちっ⭐︎ と指を鳴らしていつもの呪文名を言い放った!!。
「【ケロッとすぱいらる⭐︎】!!」
全神経を集中させた一滴の水槍が投擲され、ザランの胸を捉える!!。
「ガハッ!!」
それは鋼鉄の鎧をも貫通し、確実に命を奪い去る一撃。
決まった...!。
誰もがそう思った矢先にそれは起こった!!。
「...くくく見事なり...、俺をここまで追い詰めたのは貴様らが初めてだ...、お礼に見せてやろう俺の真の姿を...!」




