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労いの言葉

 私はまずエリーゼにこう言いました。


「エリーゼ、貴方は出会った頃に比べて肉体的にも精神的にも大幅に成長したね」


「はいっ! お姉様と一緒にいれたおかげで私はこんなに強くなれました! これからも色んな事を教えてもらうつもりです!」


 私はそう答える彼女を見て笑みを浮かべながら視線をプラルに向ける。


「プラル、貴方にはかなり助けられた事を今伝えます、ありがとう」


「いえ、私もケロナさんに沢山助けられたのでお互い様です」


 そしてサラに視線を移し姉として最後の言葉を告げる。


「そしてサラ」


「うん!」


「私は...、もう貴方の姉としてはいられない」


「...えっ?」


 私の言葉に彼女は固まってしまう。


 固まった彼女の肩を掴みながら私は続けました。


「私はサラのお姉ちゃんである前にとある方に仕える戦士なの...、だからもう貴方の姉ではいられない事を分かって欲しい」


 突然の宣言に固まりながらも口を動かす妹は凄く不安そうな顔をしている。


「やだ...」


「サラ?」


「やだよ!! ケロナお姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだ!!」


 大きな声で私に抱きついてくる彼女を止める権利はありませんが、私が1人で旅立つ事を止める権利も彼女にはないのです。


 彼女の頭をさすりながら私は言いました。


「サラ、師匠であるレイナの言うことはちゃんと聞くんだよ?」


「...」


 私はそれだけ呟くと彼女を力づくで跳ね除けました。


 まあ、跳ね除けるとは言っても水の魔法で軽く弾いてあげただけですけど...。


「あっ...!」


 しかし、私に拒絶されたと言う事実は妹の精神に深く突き刺さったようでした。


 なぜなら、私が弾いた時に見せた彼女の表情が凄く絶望色に歪んでいて見ていられない物に変わっていたのを確認してしまったからです。


 私は申し訳ない気持ちになりながらも、その場を去ろうとした次の瞬間!


「【私の物語(レイナ・エピソード)】!!」


 私の背後から閃光が襲いかかってくるのでした。

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