自分の正体
「はぁ...! はぁ...! はぁ...!」
私は自分の正体を思い出しながら勢いよく起き上がりました!
「ケロナお姉ちゃん!!」
私の起き上がった姿を見て喜びの声をあげる妹と仲間たち。
「お姉様!! もうよろしいのですか!?」
「ケロナちゃん! 元気になったんだね!」
「ケロナさん!」
「ケロナ、なかなか起きないから皆心配してたんですよ?」
優しい声を仲間達にかけてもらう度に自分の正体が【異なる世界の魔物】だと明かしづらくなる。
「サラ...皆...」
...。
私は少し考えた結果。
愛刀を持ち颯爽とこの場を去ろうとしました。
しかし、そんな私を止める妹。
「ダメだよ! まだ寝てなきゃ!」
「...」
妹は私の腕を持ってそう言ってきましたが、私は彼女の手を振り払いました。
「お姉ちゃん...?」
今までサラにはとったことがない行動をしてしまったせいか、彼女は凄く驚いています。
「ケロナ!? 一体どうしたんですか!?」
レイナにまでそう言われてしまったので、恐らく今の私は冷静さを欠いているのでしょう。
でも...。
それでももう皆と一緒な時間を過ごしてはならないと自分の中で結論を出してしまった私はベッドから立ち上がってそのまま【木の家】を後にしようと考えるのでした。




