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悲惨な現状

 アポロが何故か見逃してくれたとは言え、私達の現状は悲惨な物でした。


「ケロナがいないと食事の用意が大変ですね...」


 ケロナの容体が著しく悪く、下手をすれば死にかねないという訳でサラにはつきっきりで看病して貰っています。


 私は今できる最適の薬を配合し投与しましたが、あの火傷と傷では下手をするとケロナはもう...。


 い...いいえ、嫌な事を考えるのはやめておきましょう。


 そう思いながらも食事の用意をしておきます。


 ...。


(やっぱりケロナのように澄んだ水を作れませんね...)


 私も水の純度には自信がある方でしたが、ケロナの物に比べると大分見送りしてしまいます。


 彼女の水が99%の純度を誇っているとすれば、私は85%くらいでしょうか?


 たしかに綺麗と言えば綺麗な水ですが、飲み水用に気を配ってこの純度なので戦闘中に使う水の純度は約25%くらいだと思います。


 ケロナは戦闘中ですらそのレベルの水を扱え、あまつさえ砂鉄と合成してしまえるのですから驚きですね。


「はぁ...」


 私はため息を吐きながら自分の作った料理を口にしましたが...。


「うん! 不味い!」


 と自分で言ってしまえる程の味でした。


 ずっと料理はケロナに任せっきりだっただけにしばらくは干し肉を齧るだけの生活になるでしょうね...。


 そう思いながら自分の作った料理を灰にしておきました。


 ケロナの容体を見ないといけないので、しばらくこの【ガイラの町跡地】に滞在しなくてはならないでしょう。


 本当に【木の家(ツリーハウス)】は覚えておいて損がない魔法だと何度も実感してしまいますね。


 私が味気のない干し肉をサラ達の元へと持っていくと、彼女は今でも変わりゆくケロナの容体と戦っているのでした。

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