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骸骨剣士ザラン

(なんだ!! あいつから感じられる異様な気配は!!)


 私はゆっくりと降下してくる骸骨剣士に視線を合わせる。


「くくく...、どうやら先程の戦いで相当弱っているようだな...」


「くそっ...!」


 奴が剣を構えると私も身構えざるを得ない。


 こうしている間にも聖典から化け物が次々と生み出されているので、目の前にいるこいつとは早めに決着をつけなくてはならないのだ!!


 なので私の方から先に動き、奴の背後をとった!!


「ほう! 流石にマーカイルをやっただけの事はある...、素晴らしい素早さだ」


 そう呟く彼の背中に拳を入れたのだが...。


「ッ!! 熱っ!!」


 何と! 私の手に耐えがたい程の熱量が流れこみ、攻撃を強制的に中断させられてしまう!!


 その直後の硬直を狙われてはひとたまりもない。


「隙だらけだ」


 あまりの熱さに悶絶していた私は、奴の蹴りこみをまともに受けて吹き飛ばされてしまった!!


(ぐっ!! 一撃が...重い!!)


「あがっ..!、がぁ!!」


 腹を抑えて直ぐに立ち上がるが、そう何度も貰えるダメージ量ではないと考える。


「ほう...俺の攻撃を受けて立ち上がるか...小娘」


 剣を構え直し私の方に視線を向ける彼は名前を名乗る。


「我が名はザラン! 【大帝】様の命を受けこの世の人間を滅ぼす1人!」


(また【大帝】か...!)


 【大帝】という単語に怒りの感情が表に出そうになるのを必死に抑えながら、私はザランの出方を伺っているのでした。

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