ミジカ村
私達がミジカ村に到着したと同時にまずは馬車を借りる事にした。
なんとか借りることには成功したのだが、出発は明日だと言われ金を支払う。
「いや〜なんとか冒険者同席の安全な馬車を借りれて良かった、【城塞都市クレイトン】の周辺には山賊が出るって噂だったしこれは当たりを引いたかも」
私がるんるん気分で今日泊まる宿を探していると、サラが何やら目を光らせて武器屋の方にすっ飛んでいく。
「これは!!」
と言いながら安い棒切れ、もとい格安の小さな木の杖を物欲しそうに眺めていた。
「それ欲しいの?」
私が聴くと彼女はコクリと頷く。
ちょっとくらいはお金を使ってもいいのかもしれないけど、無駄になるものは買いたくない。
「それを買ったら何が出来ると思う?」
私の問いに対して彼女はこう答える。
「私がちょっとだけ強く見える!!」
う〜ん...この。
「残念だけどその回答じゃあ買ってあげられない」
私の答えに彼女は「え〜っ」と不満たらたらな声を漏らす。
「そんな顔をしてもダメだからね!!」
私の答えにぶ〜ぶ〜文句を垂れる彼女を掴み宿に向かう私達。
明日になれば出発するのだから今日は早めに休んだほうがいいなと考えた私は、まだ元気そうな彼女を宿へと連れていくのでした。




