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上陸②

「これは...、桃ですね」


「もも? 私達のいた【アトラ】大陸じゃ見なかったけど【カニン】大陸では結構メジャーなフルーツなのか?」


 私の問いにレイナは答えてくれました。


「そうですね...、【カニン】大陸だと庶民に行き渡るようなメジャーなフルーツと言うよりは少しお高い食べ物と言った所でしょうか、...と言うかそんな栽培の面倒くさいもの、よく海岸に近いこの場所で取れましたね!」


 彼女のツッコミに私はこう返す。


「いや、結構奥池まで走ってきた、手頃な食べ物が近場になかったし魚を食べるなら調理された物を町で食べたかったから仕方なくフルーツ取ってきたって訳」


「わざわざそこまで行ったのなら町や村の一つでもあったのでは?」


 と聞かれて私は首を横に振った。


「いや、そんなものはなかったな、と言うかこの周辺からは人の気配を感じなかった」


「そんなはずないでしょ? ちょっと辺りの様子を見てきますから待っていてください」


 彼女はそう言うと箒にまたがり空に飛び立つ。


 彼女が探索の為に飛び立った後で桃を綺麗に盛り付け始める私。


「どうせなら綺麗に盛り付けて美味しそうにしとこっと」


 桃を綺麗に盛り付ける為に切ろうとしたのですが...。


「わっ! 身が柔らかいからすぐにグチュグチュになる!」


 そんなこんなで試行錯誤するのに数分使ってようやく綺麗に切り分けられました。


「なるほど、まずは半分ずつに切りこみを入れてから優しく上下にねじって割れば綺麗に半分になるんだな!、後はこれを一口サイズのリンゴのように切って食べやすいようにしよう」


 今は桃に合う食べ物が他にないので盛り合わせるだけだが、これだけの糖度を誇っているのなら単品でも問題ないだろう。


 特にサラやエリーゼのような子供にはすごくウケそうな味である。


「2人が起きたら食べさせてあげよう」


 そう思った私は2人が起きるのを待つのでした。

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