表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

190/568

問題解決

 バチャバチャ。


 私は海面に浮かんでいる大王イカを泳いで陸まで運び出しました。


 港にバンっ! と大きな大王イカのイカ焼きを出した事で嫌でも注目を浴びてしまいます。


「すげ〜...、あんな女の子達だけで本当に大王イカを倒しちゃったよ...」


「やっぱり大きいな...、船を出せなくなってしまうほどの巨大イカだもんな、よくやってくれた」


「イカ焼き...じゅるり」


 約1名サラみたいな見物人がいるがまあ良いだろう。


 私は大王イカを引きずってエリーゼの待っている停泊場に向かった。


 〜停泊場〜


 私が停泊場にて大王イカのイカ焼きを持ってくると騒然としていた。


「まさか...!、まだ出かけて1時間も経ってないというのに大王イカを討伐したと言うんですか!?」


 驚きのあまり私達を見る目が変わる受付係。


「証拠ならここにあるでしょ、これで港から船を出せるよね? 早く出してちょうだい」


 私の言葉に彼はすぐさま返答した。


「はいっ!」


 彼が奥の部屋に向かうのを見た後、表で綺麗な水を作り出して服の上から被る私。


 塩水をいつまでも体に付着させている訳にはいかないし、とりあえずの処置として水を被っていると...。


「ケロナお姉様」


 私にタオルを渡してくるエリーゼ。


「ありがとう」


 私はそれを受け取り水滴を拭き取っていると...。


「お姉様、何故私を置いて行かれたのですか? もう私も冒険者なはずです!」


 真剣な表情でそう呟く彼女に私は答える。


「悪いけど、エリーゼの実力では大王イカと戦わせる訳にはいかなかったんだ」


「それでも...! 私はもうこのパーティの一員なはずです! 皆が命をかけて戦っていると言うのに私だけお留守番は嫌ですよ!」


 大きな声をあげて自分の意思をちゃんと言う彼女に私はこう返す。


「...、私はこのパーティのリーダーとして仲間を守らないといけない、時には参加メンバーを選別し余計な危険を減らさないといけない場面だって出てくるものなの、だから分かって欲しいんだけど、私はエリーゼ必要がないから連れて行かなかった訳じゃない、海と言う立地条件の悪い場所ではあなたのポテンシャルを活かせないと思ったから置いてきたんだよ」


「私のポテンシャル...!」


 ここは適当にそれっぽい事を言っているだけなのに感動している彼女。


「ありがとうございます! お姉様が私の身を案じてくださっていたのですね!」


「ああ...、うん! まあそうだ」


(...海上では役に立たなそうだから置いてきたことは伏せおこう)


 私は物凄く喜んでいる彼女を眺めながら、愛想笑いを浮かべているのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ