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大王イカ

 私達は討伐用に貸してもらった小舟で大王イカのいる港の出入り口に向かいました。


 何故小舟なのかと言うと、実際に乗るのは私だけだからです。


 私がオールで一生懸命に船を漕ぐ中、レイナとサラは空の上から大王イカの虚影を探して貰っていました。


 しばらく漕ぎ続けて港の出入り口に近づくと...。


「...!?」


 明らかに船底に妙な感覚が当たって船が大きく揺れます。


 小さな小舟なので波の影響をもろに受けますし、このままでは転覆してしまうでしょう。


「お姉ちゃん!」


 サラが私に急接近して私を小舟から救い出しました。


 上空からバキバキに壊されている小舟を観察し、大王イカの大きさを魚影から察する。


 〜少女目視中〜


「なるほど...、全長20メートルくらいか」


 虚影の大きさや海面に顔を出している触手の長さから大体の大きさを予想できた。


 私が予想を終えた瞬間にレイナが声をあげる。


「サラっ! 私に合わせなさい!」


「はいっ! レイナさん!」


 2人が杖を振り上げて同時に同じ魔法を詠唱させた!。


「「【強電撃・双(クロス・ギガサンダー)】!!」」


 天空より凄まじい電撃が空中で交差して虚影に突き刺さる!!。


 バチチチチ!!! バシャッ!!! ザプン!!。


 電撃の影響で波が大きく揺れたかと思うと、虚影はすぐさま海の底に沈んでしまいました。


「やった!」


「私とサラがいるんですから当然です!」


 余裕綽々なレイナと嬉しそうなサラを見て一瞬安堵した私でしたが...。


「ッ! 2人とも油断しない!」


 私の言葉に2人はすぐさま戦闘態勢に戻りました。


 その結果、海面からの奇襲に反応してなんとか触手攻撃を掻い潜ります。


「うわっ! わっ!」


 レイナに比べるとやはり箒魔法の操作が上手ではないサラにばかり攻撃が集中しているようでした。


 多分だけどこれは私が乗っているせいで重量が増し、サラの思っているような動きができていないからでしょう。


 このままではいずれ捕まると思った私はあえて箒から飛び降り、大王イカの待つ海面にダイブしました。


「ケロナっ!!」


「お姉ちゃん!!」


 2人の声が上空から響く中、私は暗い海の底で大王イカとタイマンを張ることになるのでした。

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