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彼女の想い④

 私達が宿の部屋で彼女が帰ってくるのを待っていると...。


 バタン! と勢いよく扉が開き旅用の服に着替えたエリーゼが姿を現せました。


「話はついたの?」


 と私が聞くと彼女は首を横に振ってこう言いました。


「お父様には反対されたので全力で屋敷から逃げてきました」


 にっこりとした笑顔でそう答える彼女から邪気は感じられません。


 彼女は家督を継ぐことよりも自分の冒険心を選んだのです。


 そしてその結果...。


 バタバタバタと宿の階段を駆け上がってくる複数の足音が聞こえてきたので私はエリーゼの手を掴みました。


「じゃあ一緒に行こっか、ただし! これから起こる事は全部自己責任でね」


 私の問いに彼女「はいっ」と答える。


 バタンと宿屋の扉が開かれる前に窓から脱出する私達。


 私はエリーゼをお姫様抱っこしながら屋根の上を駆け巡り、レイナとサラは余裕そうな笑みで空を浮遊している。


「お姉様がたならこの程度の包囲陣くらい簡単に突破できますわ! このまま【港町アルカイル】に向かってくださいませ!」


「そこに何かあるの?」


「はいっ、昔お父様が買ってくれた私専用の船、【エリーゼ号】が停泊してますのでそれを奪って()()()()いたしましょう!」


 さらっと凄い事を笑顔で言うあたり、彼女の心の迷いは晴れたのだろう。


 私達は【シュライン公爵】の送り出してくる追跡者達をいとも容易く振り切ると、彼女の言う通り【港町アルカイル】に向かうのでした。

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