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【シュライン】の朝

 〜朝〜


 私が目を覚ますとエリーゼも目を覚ました。


「おはようございますお姉様...」


「んっおはよう、エリーゼ」


 私が布団を払いのけた時になって初めて気がつく。


「え...エリーゼ!! あんた何よ! その格好!!」


「...へっ?」


 今の彼女の格好は完全に下着のみだった。


 昨日は夜で姿が見えにくかった事と、早く眠りかったせいでよく彼女の格好を見ていなかった事を後悔した。


(この子そっちの気強すぎでしょ! しかも昨日今日出会ったばかりの私に対して!)


 よく知りもしない人にそこまで心を許してしまうエリーゼに対して唖然としてしまう私。


「お姉様? どうかしましたか?」


 そう聞いてくる彼女の頭に私は軽いチョップを入れる。


「えっ...?」


「エリーゼ...、あなたはもうちょっと考えて行動しましょうか...」


 私の言葉の意味がよく分かっていないと言うのは、彼女の顔を見ていればよく分かる。


 私はため息を吐きながら彼女に言葉を並べた。


「はぁ...、あなたはこの家たった一人の一人娘なんでしょ? 1冒険者の私になんかと一緒になって良いと思っているの?」


 私の問いに対して彼女の答えは...。


「はいっ! 私はケロナお姉様とつがいになりたいと思っています!」


 尻尾を振りながら愛嬌を振りまいてくる彼女の表情は本気にしか見えない。


(マジかこいつ...、家を継ぐよりも自分の意思を優先するなんて...)


 私はまた大きなため息を吐きながらも、真剣な彼女の顔を眺めながらこう言いました。


「仕方ない、今日もしっかりしごいてあげるから弱音を吐かないでよね!」


「はいっ! よろしくお願いします!」


 下着姿のままビシッとする彼女を見て思わず笑いそうになってしまう私なのでした。

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