ワイバーンの住む山
私達はギルドで依頼を受けた後にワイバーンの住む山に着いていました。
「ここにワイバーンが生息しているのか...」
私達は荒れ果てた高い岩山を眺めながらも登山を開始します。
まあ、本当の意味で登山をしているのは私だけですけどね。
レイナとサラは【箒魔法】で空中に浮かんでいるので基本的に歩きはしない。
最初こそ箒で飛べた事に感激していたサラでしたが、すぐさま【箒魔法】の魔力コントロールの難しさに悪戦苦闘していました。
今もこうして浮かんではいますが、まだまだレイナのように自由自在に箒を操れるようではないようです。
「ほらっ、しっかりしなさい!、この後サラは一人で空中を自在に飛ぶワイバーンを相手にしないといけないんですよ!」
「う...うん!」
ときどきレイナに手を持って貰ってどうにか体勢を保っているレベルのサラが本当に一人でワイバーンを倒せるのか心配になってきた。
本気で危ないと思ったら手を出してもいいようだが、それもレイナの指示があるまでは禁止なのだ。
出かけた後に一応サラにも「危なくなったらすぐに私を呼んで」とは言ってあるがそれでも不安は消えていない。
ワイバーンがどのくらい強いのかレイナに聞いてみたところ、レベル60程度の魔物と同格くらいらしい。
この値は割と馬鹿にできないレベルだと思っているのは私だけではないだろう。
私やレイナならともかく、レベルが私達の中で1番高いとはいえ、戦闘の経験が1番浅いサラ一人に任せると言うのは非常にリスキーに思えてならない。
荒れた山道を登りながらも私は心の中に不安を抱えているのでした。




