丁度いい仕事
私達がハーメルンにある冒険者ギルド内で仕事を見ているとちょうどいい仕事を提示してくるレイナ。
「これなんてどうでしょうか? 危険度Bランクの仕事でワイバーンの討伐」
手頃な仕事を持ってきたと言うような顔をしていますがワイバーンと言えばドラゴン並みに有名な相手なんじゃないか? と考えてしまう私。
「その仕事大丈夫なのか?」
私が一応聞いてみると彼女は「勿論です」と強気な発言をしていた。
レイナがそこまで言うのであれば問題ないと思い依頼を受けたのだが...。
「ではサラの修行を行いましょうか」
と言い出したのでなんのことかと思っていると...。
「私とケロナはワイバーンの住む山にまでついていきますが、戦闘を行うのはサラだけでお願いしますね」
!?!?!?。
「そりゃ無茶だ!!」
私が依頼の貼られているボードをバンっ!! と叩いて大きな音を出した。
ギルド内にいる全員が私達に注目してしまうほどの音を立ててしまったが、今はそんな事を気にしていられない!。
「レイナ! なんでサラが一人でワイバーンと戦わなくちゃいけないんだ?」
私の言葉に彼女はこう返してきます。
「分からないんですか? サラはレベルだけならワイバーンや私よりも高いんですよ? このくらいの相手なら1人で勝てないといけません」
「そうは言ってもサラはまだ子供で...」
そこまで言いかけると彼女は怖い顔で私のことを睨んできた。
「ケロナはサラを本気で育てる気があるんですか?」
「えっ...?」
レイナの妙な迫力に私は押されてしまっている。
「ケロナとは短い付き合いですがサラを大切にしているのは分かりますよ、けどそれだけじゃ彼女のためになりません、彼女をいつか一人前の【魔女】に育て上げたいと思うのなら手を突き放すことも大切なのです」
「うっ...」
正論を真っ向から打ち込まれてはどうしていいのかわからなくなる。
「それに...、ケロナはサラの事をまだ子供だと言いましたよね? しかし我々冒険者に年齢の優劣はありません、極端に言えば依頼の内容を達成出来るかできないかの二つしかないのですから...」
妙に説得力のある言葉に私は何も言い返せないのでした。




