ハーメルンの冒険者ギルド
〜サラが【進級】を受けた次の日〜
私達はハーメルンにある冒険者ギルドに向かいました。
勿論仕事を受けるためと、ここに来るまでの道中に手に入った魔物の素材を売るためである。
私達3人がギルドの扉を開くといきなり強面の男達に絡まれてしまいました。
「おうおうおう! 嬢ちゃん達! ここは冒険者ギルドだぜ!? お嬢ちゃん達みたいなひよっこが立ち寄る場所じゃねぇんだわ...、さあ帰った帰った!」
いきなり門前払いになりそうになったのでレイナが先頭に立ちとあるカードを提示しました。
「はいはい、私は【旅の魔女】レイナという者ですが身分証明はこれで充分ですよね?」
レイナがニヤリと笑っていると急に男は大声を上げ始める。
「ななな...!、こんな若い嬢ちゃんがAランク冒険者だとぉ!?」
男の声にギルドホールはざわめき始めた。
「Aランクの冒険者だと?」
「あんな若い嬢ちゃんがか?」
「はんっ、どうせ入れてもらっていたパーティが強かっただけだろ」
などとヒソヒソ話をしながらも道を開けてくれる強面の男達。
レイナは男から自分のカードを取り上げると「じゃあね」と声をかけて受付の方に向かいました。
そんなやりとりを見ていると私もAランク冒険者のカードが欲しくなってしまいます。
(あんなカードを提示するだけであそこまでの効力を発揮するのか、便利だな)
一応私もギルドカード自体は持っているのですが、手柄は全てディール達に譲っていたので私のランクは最低のGランクのままなのでした。
(しまったな、どうせなら私もランクを上げておいた方が良かったのかもしれない)
と今更後悔する私。
しかし、過去の事を今更後悔しても遅いのだと割り切って仕事の内容が貼られてあるボードを見てみるのでした。




