初めての【進級】
「えっ! 私が【魔女】になれるの!?」
「はい、今から【進級】なさいますか?」
神父の言葉にサラは「なる!」と大声で答えた。
「ではこちらへ...」
今度はシスターに奥に連れて行かれるサラ。
〜数分後〜
「ケロナお姉ちゃん見てみて〜!!」
教会から出てきたサラの魔力が明らかに増大しているのが分かる。
それを面白くなさそうに見ているレイナでしたが...。
「あの子が自力で私よりも高いレベルに行けたとは思えませんし...、つい最近冒険者になったという話も加味すると本当にレベル100越えの敵達と戦ってきたのかも知れませんね...」
不貞腐れつつも私達が話した今までの戦いの事を信じてくれるようになったようでした。
それくらいの経験がないと短時間でレベル87なんてあり得ないと彼女にもわかっているのでしょう。
「まあ良いです、レベルが私より高くなったとはいえ、今更あの子の教師を辞めるつもりはありませんから、それにレベルだけが戦闘において全てと言う訳ではありませんからね」
彼女の言っている事は的を得ている。
レベルだけが高くても仕方がない事はスラナ村にきた勇者達の惨敗ぶりを見て理解しているつもりだ。
自分のレベルがいくら高いからと言っても相手がそれより下だとは限らないのだから...。
レベルの高さが慢心となり自らを鍛える事をやめてしまえばそれが弱点となり、そのままつけいる隙になりかねないからね。
私はその事をしっかりと肝に銘じるのでした。




