【木の家】の朝
私が目を覚ますと寝相の悪いサラがまたベッドから落ちている姿が見えたので一応直しておく。
ぐぐ〜っと背を伸ばしながらレイナの方のベッドに目を向けると、すでに起きた後のようで綺麗に畳まれた毛布が置かれていた。
(レイナはもう起きたのかな?)
そう思いつつも窓から外を見てみると、彼女が箒に乗って空を飛んでいる姿が見えたので私も外に出てみる。
「レイナ〜! 朝から何してるんだ!?」
「ケロナ!」
彼女は私の存在に気がつくと【木の家】の入口に戻ってきました。
「ガーディンに【洗脳】されていた時期が長かったので今のうちに昔の勘を取り戻そうとしてるんですよ、このままケロナの旅について行くのなら【箒魔法】の技術向上も絶対に必要な事ですし、他の魔法の練度を少しでも上げておきたくて近くにいた魔物を狩っていたんですよ」
と倒して素材と化した魔物の束を私に渡してきた。
「じゃあこれを使って朝ごはんにしましょうか、今日こそ町にまで移動して冒険者としてちゃんとした仕事を受けましょう」
...。
これを渡してきたと言うことは...。
「朝食も私が作ったら良いの?」
「ええ、頼みます」
嬉々としてそう呟く彼女と【木の家】にあった調理器具の手入れ具合を見て私はなんとなく察していた。
「多分レイナって料理しない人だよね?」
私の言葉を聞いて変な汗をたらたらとながれた後に小さく。
「そんな事ないですよ」
と言っていたが多分料理しない人何だろうなと分かっている。
調理場にある全く手入れされていない調理器具達がそれを物語っているのだ。
(普通料理する人間だったら使った痕跡が残るはずだからね、全部新品かってくらい綺麗だったから多分料理しない人なんだろう)
私はハハッと笑いながらも彼女から受け取った怪鳥の肉を手に取って調理場へと向かうのでした。




