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「お米? お米って何?」


 サラが私の方を見てそう呟いたので説明してあげましょう。


「お米っていうのはこんくらいの小さな粒みたいな物で、それを沢山お碗に乗せて食べるんだ、特段凄い味はしないんだけどほんの少し甘くて美味しいんだよ」


「ふ〜ん...、でもサラは食べた事ないよ」


「そうだっけ? そう言えばスラナ村だと見なかったねぇ...」


 スラナ村では魚が主食だったしクレイトンやミストレインではパンが主食だった。


 多分この辺りでは米を主食に食べる文化などないのだろう。


 そう思うと無償に食べたくなってしまう。


「暖かいご飯とこの味噌汁...、そしてもう一品鮭でもありゃ最高なんだけどなぁ...」


「しゃけならわかるよ!」


 魚類であればサラもお手のものだ。


 一通りの解体もできるしイカを干してスルメにした事もあるくらいだからね。


 スルメと言えば今回の味噌汁には使わなかったけど、今度からダシにしてもいいかもね...。


 私とサラが談笑する中、レイナが私の方を見て言いました。


「お米って...、こっちの大陸だと栽培すらされていない食べ物じゃないですか! もしかしてケロナってこっちの大陸の住民じゃないんですか?」


「えっ...そうなの?」


「そうですよ!」


 意外な事にこの大陸にはお米がないらしい。


 というかなぜ急に米と言う単語が出てきたのかも良くわかっていないのだが、とにかく私にはスラナ村にくる以前の記憶がない事と今までの経緯を彼女に説明した。


「なるほど...、ぼろぼろの状態でスラナ村に流れ着いたと言うわけですね、そしてお米の存在を知っていると...、これはケロナの出身国を解明するのに大きな手掛かりとなりそうですね」


「それよりもマーカイルの所とザランの話はスルーでいいの?」


「いえ、普通に考えてレベル125とか200とかありえませんから」


 彼女はマーカイルとザラン、そして聖典の話をホラ話と思ったようだ。


 いつもなら飛びかかるはずのサラも夜が遅く眠たそうにしていたので多分聞いていないのだろう。


「さあ、今日はもう遅いので寝ましょうか、一応3人分のベッドは用意していますのでそこで寝てくださいね、夜の見張りは心配なく、私の作った【木の家】は弱い魔物やそこら辺の盗賊程度なら自己防衛できますので安心して眠ってくださいね」


 彼女の言う通り【木の家】の入口は高所にあるし、レイナ曰く自己防衛の魔法も備わっているらしいので野営よりはよっぽど案心して眠れてしまうだろう。


 私とサラが先に木のベッドに寝転がると、そのまま目を瞑って眠りにつくのでした。

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