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夕食

 お風呂から出た後は私が夕食を作る。


「手伝いましょうか?」


 と湯上がりのレイナに言われたが「いいよ私がやる」と返した。


「そうですか、でも先にケロナの髪を乾かしますね」


「そんな事できるの?」


「ええ、【魔女】を舐めないでくださいね」


 彼女はそれだけ呟くと意識を集中させて呪文を唱える。


「【熱風】」


 彼女の手のひらから小規模な火が現れたかと思うと強い風によって消滅し私の方に風が送られてきた。


「あっ、暖かい」


 ただの暖かい風となって私の髪を一瞬で乾かしてしまったレイナの腕前は見事である。


「後でサラの髪も乾かしますのでケロナはどうぞ晩御飯の用意をしてくださいね」


 ...。


(仕方ない、ちょっとだけ本気出すか)


 私は便利袋から調味料を出す。


 いずれもガーディンの家に置いてあった高級品だ。


 使う者が居なくなっては勿体無いと思い調味料を全て拝借...もとい盗んだのである。


(調味料だってずっと使わなければ腐って勿体無いしいいよね?)


 そう思いながらもそれらを勝手に使っている私は盗んでいるのに変わりはない。


 なので証拠隠滅のためにもさっさと使ってしまおう。


 今日取ってきたばかりのうさぎ肉を取り出して一口サイズに切り裂いた後に繊維を叩いて壊す。


 こうすれば肉が柔らかくなり食べやすくなるのだ。


 それらを鍋に入れてガーディン邸でくすねてきた味噌を入れて水に溶かした。


 それ以外にも持っている野菜を切って鍋の中に放り込む。


「そして...、一気に加熱!!」


 と行きたいのでサラを呼ぶ。


「サラ! 【火球】お願い!」


「は〜い! 【火球】!」


 鍋を一気に加熱して味噌汁を作る。


「あら...? いい匂いですね汁物ですか?」


 そう聞いてきたレイナに私は答えた。


「うさぎ肉の味噌汁の完成さ」


 みんなの前にそれらを出して一緒に食べる。


 それぞれ口をつけてみると割と悪くない味がした。


「あっ、これ良いですね野菜と汁物を一緒にいただけますし、うさぎ肉のお陰で満足感もあります」


 レイナは意外と食レポみたいな感想を言うな。


 それに対してサラは...。


「美味しい!」


 だけのシンプルな感想だった。


 私も口を付けて見たけれど悪くはありませんでしたが、この味を楽しんでいるとついついあの主食が欲しくなってしまいます。


「ああ〜...()()が食べたいな〜...」


 その言葉にサラはキョトンとしており、レイナは「えっ?」と言う様な顔をしているのでした。

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