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五大魔法と練度

 お風呂に入りながらもレイナはきちんと丁寧に五大魔法について説明してくれました。


「五大魔法とは【火】【水】【土】【雷】【風】の基本5大現象を軸にした魔法の事を指します、例えば私やサラの使う【火球】の魔法は五大魔法で言う所の【火】の現象に当てはまりますね」


「それで?」


「基本的な魔法なので使う度に【練度】が上昇し一定数使いこなすと技がレベルアップするんですよ、ただこれにも個人差があって同じ【火球】を極めていても一点集中型の【火槍(フレイムジャベリン)】を覚える人もいれば【火広(フレイムスプレッド)】を覚える人もいますし、珍しい所では【火壁(フレイムウォール)】を覚える人なんかもいますね」


「【火球】だけでもそれだけの派生があるってことは特殊な派生に入る人もいるってこと?」


 私の質問に対して彼女は人差し指を私の突きつけてきました。


「そう言うケロナは自分が既に特殊なケースの中に入っているんだと自覚されていますか?」


「私が? まさか」


 そう笑い飛ばそうとしたのだが彼女はムスッとした顔でこう言ってきます。


「私は全系統の攻撃魔法を極めるつもりでずっと使い続けていますが、ケロナ程の水魔法を使えるとは全く思えません、それになんですか? あの【ケロっとれいじんぐ☆】って! そんな水魔法は聞いた事も見た事もありませんし、あまつさえ書物でさえ確認した事がないんですよ! 魔法職でもないケロナがあれだけの魔法を扱えるのはどう考えてもおかしいです!」


 バシャン! とお風呂の水が飛び跳ねる程に暴れる彼女の姿に私は「落ち着け」と宥めた。


 息を切らしながらもきちんと説明してくれるあたり、彼女は優しい部類だろう。


「だいたい分かったよ、レイナありがとう」


「むっ...、そう面を向かってありがとうと言われてしまうと少し照れますね...//」


 少し照れた彼女の顔を見ながら、私は湯船に浸かり今日の疲れをしっかりと溶かすのでした。

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